物件の前をどのような人が、どちらからどちらへ、どのくらいの量、通過しているかを計測・確認しました。量と質の次は何を考えるべきか?
ブログ ― 「店舗開発実務講座」セミナー講師のコラム
カテゴリー:店舗開発という仕事
動線の量を測ったら、次はその質を考えます。通過する人や車が左から右へ通過するのか、時間帯ごとにどう変化するのか分かるよう計測する必要があります。つまりカウンターは2台いるということです。男女比、年齢層、主な客層(勤め人、学生、住民、買い物客など)なども観察するべきです。
ここでは出店判断向けの動線を「動線とは、商業施設や都市における人や車の動きを示す線。方向・量・時間的変化などを表示し、出店計画の判断材料とする。」と定義します。では具体的に動線の何を確認すればよいのでしょうか?
周辺のTGや動線、一等立地、競争相手(競合)の立地が把握できたら、それらと比較することにより物件の立地を評価します。店前を人が通行する必然性は高いのか、予定する営業時間のあいだに何人の人が店前を通過するのかを冷静に評価しましょう。
出店候補物件の最寄り駅に着いたら、いきなり地図を見ながら物件の場所へ向かってはいけません。物件の立地や構造を確認する前に周辺環境の把握に十分な時間をかける必要があります。実際に、企業の店舗開発担当者は、出店候補地の周辺の様子について、平日と休日の違い、1日のうちの時間帯による違いまで確認します。
白金台のスーパーマーケットの配置から、こういった立地の評価を考え直してみるのは有意義と思われます。これまでの立地判断では集客力ある施設近くが良い立地というものが多いですが、状況によっては店前通行量が多くても意外とお客さんをキャッチできないケースもあります。
後背地とは、文字通り店舗の背後にある地域、商売で言えば商圏のことです。マルエツ、いなげや、コンビニ(セブンイレブン)の後背地には、住宅が密集していますが、プラチナ ドン・キホーテの後背地には、オフィスビルやお寺などが多いことにまず気が付きます。
白金台駅周辺のスーパーマーケットの立地です。プラチナ ドン・キホーテ白金台店は、東急ストアが撤退した物件にオープンしたわけですが、現地を見て、東急ストアが撤退した訳が分かったのです。
住宅として使われている面積は想像以上に小さく、しかもある領域に偏在していることが分かります。買い物と関連しにくい目的で利用される施設が周囲に多いことが分かります。白金台は徒歩客を相手に商売をするのは大変な地域であると考えるべきでしょう。
今日は、冷静に白金台の商圏分析をしてみましょう。白金台駅を中心とした半径500mの範囲の地図と、同じ範囲の航空写真を見てみてください。地図と航空写真を見て、どのようなことを思いますか?