- 2021.01.20
- ディベロッパー,
館(商業施設)の“選球眼”を養う必要性~
大量閉店に関するニュースには、コロナ以前から生じていた“大型商業施設は大型だから安心とは言えなくなった”傾向が反映していると見るべきです。今後中長期的な視点で大型商業施設への出店を検討する場合、エリアの商業面の発展の経緯、立地上の利便性といった観点から選ぶ眼が必要です。
大量閉店に関するニュースには、コロナ以前から生じていた“大型商業施設は大型だから安心とは言えなくなった”傾向が反映していると見るべきです。今後中長期的な視点で大型商業施設への出店を検討する場合、エリアの商業面の発展の経緯、立地上の利便性といった観点から選ぶ眼が必要です。
北海道から九州まで店舗があるのが良しとされない場合もあるのです。ジョイフルの北海道撤退は、企業全体の効率性を考え、本拠地から最も離れた孤立した1店舗を早い段階で潔く閉店した“積極的な閉店”であり、地震やコロナはその後押しをしたに過ぎないと考えることもできます。
新規出店だけを考えていればよい企業は相対的に数が少ないのが実情です。多くは業績不振な店を含む既存店舗があります。そこで、そろそろ“閉店の方法”についてもお話ししたいと思います。どう開けるべきかがあるなら、どう閉めるべきかもあるという主旨です。
プロ野球のマジックナンバーと同じように少しずつ減って残り「5」となっているのは、かつて凄まじいスピードで急成長した外食チェーン『東京チカラめし』の店舗数です。粘り強く最後まで残った場所の特徴を見ておくことは、今後の出店を考える上で意味のあることと思われます。
思い出したのが狂牛病の影響で困った同社が掲示した“助けてください”というフレーズ。しかし今回の失敗は自業自得です。このままでは店を閉めることになる?もっともです。店が多すぎる地域があります。業態としての意義はあっても、なくて良いところにある店は閉めれば良いのです。
情報をつなぎ合わせると神田一力堂は約1年で閉店を決断したようです。店舗数が一桁台の前半という少ない段階で、傷の浅いうちに撤退するのはとても勇気のいる決断です。周囲に当たり前のように店がある業態ほど、成り立たせるのは難しいものです。
売れる店舗も売れない店舗もあり、売れない場合“潔い閉店”も視野に入れる必要があります。売れない店舗の存在は従業員の士気を低下させるだけでなく成長機会をも奪います。成長の初期段階では傷の浅いうちにその出店を“無かったことにする”英断をし、教訓を次の店舗展開に活かすことを検討すべきです。
日本の人口はインドの10/1でカレーを食べる頻度も低い。高賃料高エリアは競合がおり、賃料が安いエリアは集客できません。インドの感覚でカレー専門店を出店すると大変なことになるようです。
J.FERRYが粉飾決算をした直接の原因は出店にあるといって良いでしょう。店舗リストを見て設立時の時代背景、約25年を経ての業態と店舗数、店舗の立地等を踏まえ、どこに問題があったのか考えてみてください。
弊社セミナーでは、出店が好調の企業のことを知るよりも、失敗したケースを知る方が教訓を得やすいということで“倒産情報・速報”を定期的にチェックすることをおススメしていますが、最近の23の倒産のケースがまとめられている本『なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則』をご紹介します。
出店で先を越されるのは不利とは必ずしも言えず、周囲にコンビニがないところに先にファミリーマートだけがあり、より利用のしやすい区画にセブンイレブンが後から出店した場合、既存のファミマは大打撃を受け閉店に追い込まれるのではないかとの仮説ができました。
セブン-イレブンは交差点に面しており侵入経路も複数確認できます。侵入経路が一つで通りに面しているファミリーマートとあるものの数に大差をつけます。それは何か?この数字は車利用の多い郊外ロードサイド店の売上にかなり強く関係します。
3年前、ある道路わきにファミリーマートがありました。付近にコンビニはなく道路を挟んでドラッグストアが1件あるくらいの場所でした。その秋、少し行った川の先にセブン-イレブンがオープンしました。となりにはコメダ珈琲もオープンし辺り一帯が活気づきました。
先発でマウンドを降りたテナントは利用客によく知られていなかったか“そこでは”期待されていない存在だったのでしょう。消費者に持たせたい自社イメージと出店計画は別々に考えるのではなく一つのまとまりとして考えながら多店舗化の最終型を描くことが本格的に多店舗化する前に必要です。
『スリープセレクト』は8店舗を展開しておりすでに展開範囲は全国区です。会社が考える自社のイメージと出店すべき立地があまりうまく噛み合っていないように思います。企業イメージを考える部門と店舗開発部門の連携がとれているかが気がかりです。
イーアス高尾を半年弱で降板した“先発”テナント『ヨギボー』の出店、多店舗化の足跡を振り返ります。ヨギボーの出店場所は大型商業施設がほとんどで出店機会があるとどんどんオープンしている印象を受けます。
イーアス高尾先発テナントとして既にマウンドから降りたテナントにスリープセレクトとヨギボーが追加されていました。商業施設ライフサイクルの観点から両者には共通点があるように思います。
商業施設もライフサイクルがあり、開業期新規性訴求、売上伸張期には人気店誘致と顧客サービス強化、売上安定期には継続的入替え、売上衰退期には抜本的リニューアルと活性化と、成長過程に応じテナントに求められるものが変化します。自社は先発、中継ぎ、抑えのどのタイプでしょう?
振り袖を中心に経営を考えてしまい、身の丈に合わない勢いで出店し、コストの打撃が一層大きかったのでは。今後同様の事件が起きないようにするために、経営者が出店をより慎重に考えること、会社の規模や成長段階に応じて多店舗化をどのように進めるべきかについての知見の蓄積が必要です。
2017年最も総店舗数が増えたブランドトップ3は1位いきなりステーキ2位サイゼリヤ3位鎌倉パスタ。増加率トップ3は1位スエヒロ館100%増2位伝説のステーキ屋3位chawan。減った屋号トップ3は1位ケネディ2位ステーキハウスけん3位グラッチェガーデンズ。減少率トップ3は1位ケネディ2位フレンドリー3位壁の穴。
イーアス高尾で一件の閉鎖店鋪を確認。一階東側入口すぐ左側区画が白囲いになっており、ホームページのフロアガイドも該当箇所は空欄です。最近の動きのようで印刷媒体のフロアガイドでは名前を確認できました。
忙しさにかまけて遅れてしまいましたが、株式会社創拓社出版の倒産情報についてです。前回掲載した「株式会社創拓社出版」のケースをどう読むべきかをお話したいと思います。 同社は個別指導塾 […]
私は学生や実務家の方々に“倒産情報”を定期的にチェックすることをオススメしています。 巷には成功した企業の事例を紹介・解説する書籍が目立ちますが、それは読み物としてはおもしろいのか […]
前回の続きです。通過点にありテナント数も多い南館の方が苦しいテナントが多いということになり、“生存率は北館の方が高い(南館の方が低い)”という仮説を検証すべく、フロアごとの4年間の […]
前回の続きです。近年のショッピングセンターでは、開業当初に存在したテナントの全てが長いこと変わらずに営業をし続けることは稀です。 なぜそこにその業態や店舗がなければならないのかが分 […]
商業施設の開発が進む中、施設内のテナントが入れ替わることは珍しいことではなくなりました。 以前、越谷イオンレイクタウンのテナント生存率についてお話したことがありましたが(記事:開業 […]
前回の続きです。海岸で、寄せては返す波を見ながら分かったことがあります。それは、最も後に波が到着した場所から波は引いていくということです。 それがどうした?と言われそうですが、ここ […]
前回の続きです。日本ショッピングセンター協会が公表しているショッピングセンター(以下SC)の開店店舗と売場面積のデータをもとに、1963年以降の千葉県内のSC面積の合計の推移を調べ […]
こんなに商業施設が出来て“大丈夫なのか?”という論調を耳にすることがありますが、今回はこの“大丈夫なのか”に切り込んでみたいと思います。 商業施設に出店しようとするテナント企業にと […]
消費者行動調査から読み解く首都圏商業施設の近未来~専門店テナント企業は今後、新規出店の案件をどう判断するべきか?~(2016年3月講演録) 千葉市中心市街地で起こっていること (講 […]