続「高速出店」とは?|好ましい・好ましくない展開のパターンを分けるもの
全国的に普及したチェーン店は、高速出店の時期を経験することが多いですが、そのタイミングが重要。成長の初期段階からの出店高速化はリスクも伴います。
全国的に普及したチェーン店は、高速出店の時期を経験することが多いですが、そのタイミングが重要。成長の初期段階からの出店高速化はリスクも伴います。
出店数を年度別に配分する出店計画が出店速度を左右しますが、どのように考えるべきか?急に高速出店になることもあれば逆もあり、長年一定のケースは稀です。
令和2年国勢調査人口データ速報の人口上位8都道府県市区レベルデータを、店舗開発実務用に4分類した結果を、エリア戦略作成への活用方法と併せて解説。
2010年代は出店高速化がさらに進み、店舗網が関西にまで拡大。2極展開とは景気が良く聴こえますが、店舗網広域化、しかも地盤市場から離れた展開は、教育サービス業では危険視せざるを得ません。本社も立派になり、組織面の変化もうかがえます。
2000年代はスタンプラリーのような出店が続き、教室数は約3.5倍に。セレクトの増加、様々な鉄道沿線の駅に出店を重ね、教室数200未満段階で教室網は1都3県に拡大。神奈川県内の追加出店よりも、出店エネルギーは圧倒的に面的拡大に注がれていたと言って良いでしょう。
臨海セミナーの多店舗化は90年代前半に出店スピードがやや上がり、対象を高校生に広げました。90年代後半にはさらに店舗数が4倍弱に。特に従業員の人的能力が重要な意味を持つ業界で、人的能力育成が教室数増加ペースに追い付いていたのか気にかかるところです。
臨海セミナーの教室拡大の軌跡を振り返る際の視点・観点を共有します。学習塾は対象生徒の年齢が低くなるにつれ個々の教室の商圏は狭くなります。授業料を払う人と実際に授業を受ける人が異なる点が教育サービスの特徴で、狭い地域での競合も激しくなりがちです。
学習塾「臨海セミナー」の勧誘方法等が問題となっていますが、会社の方針に付随した多店舗化の方法に根本的な原因があったように思えてなりません。教室拡大の軌跡を振り返りつつ、弊社の学習塾多店舗化に関する考え方に照らしながら考察を加えます。
いきなり!ステーキの出店は地域的な偏りが極端だっただけでなく、その速度があまりにも急速であった点にも特徴があります。ペッパーフードサービス社の業態ペッパーランチも同じように急拡大したことがありました。
“市場規模に対して相応しい数の店舗数を出店する”という考え方はペッパーフードサービス社には皆無であったと言ってよいと思われます。首都圏の出店数には驚かされました。投資家の中に、これで赤字転落は許しがたいと思う方がいてもおかしくないように思います。
表は全都府県の人口比率と対応する「いきなり!ステーキ」の“あるべき店舗数“を示しています。これを参考にして「いきなり!ステーキ」が各都道府県に実際何店あるかをこちらでぜひ確認してみてください。驚きますよ!!
いきなりステーキのペッパーフードサービスが上場以来初の赤字転落。ペッパーランチと同じような失敗をしており、出店の観点から言えることを後の教訓のために書き残します。めったに起こらない自社競合が起こった理由は、市場規模と店舗数のバランスをよく考えずに出店していたためと考えられます。
広島市中心部ではタリーズの市場プレゼンスが高くなりました。広島市中区だけでも7店舗あり、対するスターバックスは3店舗だけで10年以上前と変わらず。この状況を踏まえて観光地の厳島神社参道に出店しているのを見ると、おめでたい会社だなと思えてしまいます。
広島で自然と覚えてしまう地元企業の2つ目、フタバ図書。事業内容が多岐に渡ること、県内展開と全国展開の方法に違いがあること、広島駅前はエディオン蔦屋家電が目立っており、フタバ図書は古びた印象を受けること、などを考えると一抹の不安を感じさせられます。
大須に2店あるステーキチェーン、“いきなり”ならぬ“やっぱりステーキ”。沖縄県が地元で21店。県外は16店。台風のように沖縄から九州を経由し北上していますが、東京は通過し、北は北海道にも上陸しています。こういう店舗展開もあるんだなあと考えさせられました。
全国的な知名度も上がる中、大きく打ち上げられた花火を何となく中途半端に打ち尽くしてしまったコメダ珈琲。未出店エリア一号店は爆発的に売ることを目指すべきで予測売上のはるか上の売上を叩き出さなければなりません。急ぎすぎると爆発力は低下します。
コンビニ市場は飽和状態といわれ、全体の売上は増えないでしょう。今後何が起こるか?企業間の売上食い合いです。先行する2社は要所でない店舗が目立ち、今後要所にセブンイレブンが出店してくる。飽和する市場で数店で挟んでつぶす出店はセブンイレブンのお家芸です。
1号店を2020年初頭に首都ニューデリーに検討、5年間で直営店舗10店舗展開、その後フランチャイズ展開を目指すそうですが、出店の最終形、市場計画があるのか疑問です。ある国に1号店を出店した後どう展開するか?は日本企業以外のグローバル企業でも悩みの種です。
店舗開発に関わる7月のできごとと言えば、セブンイレブン沖縄県開店。既にファミリーマートとローソンが出店する場所で、最大手の後攻めが始まります。コンビニは店舗数が飽和していると言われる中、なぜ後から出店するのか?弊社なりの見方を共有させていただきます。
未出店地域や比較的出店しやすい市場規模のあまり大きくない地域への出店を増やすことが続くような場合将来を悲観せざるを得ません。注目点すべき点は市場規模の大きい関東圏での知名度を上げるよう店舗開発の労力を集中させ店舗数を増やせるかにあります。
関東圏だけでなく関西圏にも出店地域を拡大し勢いがあるようですが、集中度が大きく低下し、店舗網拡大と同時に店舗数が分散しています。チェーン店出店の基本である特定地域に店舗数を集中すべきとの考え方にそぐわず、店舗網の管理効率等が低下します。
2017年に地道に店舗数を108店舗から118店舗に増やしたブロンコビリーですが、最近どうも調子がよろしくないようです。業績下方修正を発表し、株価も低迷しています。今回はブロンコビリーの出店の軌跡とその見方をお話しします。
西松屋さんが最も普及しているのは大分県。10万人あたり店舗数が1.30と高いだけでなく、婦人・子供服小売市場における店舗数のシェアも3.79%と全国平均を大きく上回っていることが分かります。
西松屋の10万人あたりの店舗数は全国レベルで0.8です。この数字が高ければ高いほどその企業は住民の間により普及していると考えられます。最大値1.3の都道府県はどこでしょう?西松屋さんが最も普及しているのは何県でしょう?
西松屋チェーンのように1,000店舗体制となると店舗網は全国に広がりますが、各地域市場の規模に応じて配分できているかが問題となります。小さい市場に過剰出店すれば売上食い合い(カニバリ)が生じ、逆に大きい市場で出店数が不十分だと競合に売上機会を奪われます。
前回に続き、“歴史に学ぶ”シリーズです。『新太閤記』主役の豊臣秀吉を含む戦国武将をチェーン企業の本部、城を店舗に例えて、起こる出来事を多店舗化の過程にダブらせて読むと、ただの小説ではなく、仕事の参考書 […]
新たに店舗開発の担当になられた方、新しい会社に移り店舗開発に携わる方、また、企画部門や店舗運営部門をはじめとする店舗開発以外の部署の方などにとっても、チェーン企業において“既存店の分析”は必ず生じる業 […]
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店舗開発業務において独断専行をすべきときとは?「貴重な出店機会の情報を得た時に、一度会社に持ち帰って調整してから応答するのでは開けられない。」とは大ベテランの言葉。申し込みが先、社内調整が後ということで、とても真似出来ませんが、希少価値のある立地はそのくらいの即断が求められることもあります。