前回の続きです。周辺のTGや動線、一等立地、競争相手(競合)の立地が把握できたら、それらと比較することにより物件の立地を評価します。

店前を人が通行する必然性は高いのか、予定する営業時間のあいだに何人の人が店前を通過するのかを冷静に評価しましょう。

物件の立地が良好と判断できない場合は?

動線から大きく離れていたり、TGから出てきた人が店舗を容易に認識できなかったり、競争相手(競合)よりも立地の利便性が劣っていたりする場合には、人の自然な流れを変えるのはそう簡単ではないことを思い出しましょう。

袖看板を大きく目立たせれば何とかなる、店舗を広くすれば大丈夫、などの希望的観測は危険です。人はわざわざ来店してはくれないものです。

このような場合は、その街での出店そのものを取りやめにして別の街を検討する、あるいは、その街で出店したい立地をより明確にして新たな物件情報を収集する、などの方針転換が必要です。

せっかく得た物件情報だからと言って、いつまでも関わりあうことはやめるべきなのです。

一等立地ではないが、物件の立地が良好と判断できる場合は?

一等立地ではないものの物件の立地が良好と判断した場合には、物件の構造を、一般の人が利用しやすいかどうかという観点で評価します。

店舗は1階のみか、地下や上層階を含むのか、間口は十分あるのか、面積は十分かなどです。

店舗の間口が十分確保できれば、店前を通行する人がその店舗を認識しやすくなったり、店内の様子を店外からも確認しやすくなり店舗が選択される確率が高まるなどのメリットを享受できます。

地下や2階以上の上層階は、利用客が階段等で移動をする必要があるため、座席の稼働率が1階の座席に比べると劣ると考えるべきです。

合計面積は十分あるものの、1階と2階、あるいは、1階と地下1階の物件で、1階の面積の比率が低い場合は、その点を十分に注意する必要があります。

まとめ

要は、立地・物件を評価する際には、開業する側の目線ではなく、利用客の目線で彼らの自然な流れや動きにその物件が沿っているかを評価すれば良いのですが、これは強く意識してないとなかなかできないことなのです。