出店計画の際に定めるべきことには、個々の店舗の立地、目標店舗数、カバーする地理的範囲が含まれることは容易に納得が行きます。
しかし、忘れがちな重要な要素がもう一点あります。それは、出店数を年度別にどう配分するかに関わるものです。
例えば「5年で200店舗出店する」という計画を立てた場合、200を5で割って毎年40店舗、というのは単純すぎる考え方のように思われますが、初年度は低めに設定して、2年目以降は何があるか分からないから、とりあえず残りの店舗数を年数で割った数字を入れておく・・・というようなことはよくあることではないでしょうか?
これは“年間の出店数”を決定する問題で、出店の“速度”に関連します。出店の速度は急に上がることもあれば、その反動や景気などの影響により急に下がることもあり、長年にわたり一定であることはまれなように思われます。
コロナ禍にあって、新規出店を減速、場合によっては凍結、する企業もあると想像できますが、同じ状況下にあっても出店の速度が速い企業はあるものです。出店意欲が旺盛、目新しかったり話題性があったりで売れている業態などのテナント企業には、物件情報も集まりやすいのか、出店を加速するところが増えるようです。
さて、ここで事例問題です。
一号店を開店後、ここ2年~3年で総店舗数100店舗以上と急成長している企業があります。特徴的なのは、一号店出店後、チェーンとしての成長の“初期段階”から出店速度を速めていることです。
続きは次回のブログで。
【高速出店とは①】出店計画立案に必須の「出店速度」の考え方
多店舗化するチェーン店の成長段階では、必ずと言っていいほど、年間出店数が急激に伸びる「高速出店」の時期が訪れます。多数チェーン企業の研究に基づき、その実態について言えること、中長期出店計画を立案する際に参考となる出店スピードの考え方についてお話します。
- 00:00 「高速出店」とは?中長期出店計画立案に必須の出店スピードの考え方
- 01:04 どのぐらいの速度なら「高速」出店か?高速出店の定義
- 03:15 中期目標(仮)が⑤年間で300店舗の場合、どう考えるか?計画の3パターン(例)~出店資金・人材計画・経営計画他への影響~
- 07:35 出店速度を決めるもの~会社がコントロールできるか?~
- 10:48 出店速度に関する2つの仮説