出店は集積するべきか?分散するべきか?

先日まで、プラチナ ドン・キホーテが開店した白金台の商圏分析を通じてお話したことを受けて、関連しそうなお話をします。「良い立地とは何か?」というお話です。

全国チェーンにとっての「良い立地」というと、駅ナカや駅付近に出店したがりますが、それはなぜかというと、都市部における「駅」が、老若男女を問わず不特定多数の人々を集める力があるためです。店舗単独で集客するのは難しいため、集客力を外部の施設に依存しているのです。しかし、そのような駅は、通勤・通学・買い物等の移動手段が鉄道が中心の、いわば都市部に多数存在するものです。「自家用車が無くては生活できない人々」中心に形成されるマーケットには、実はあまり存在しないのです。というお話を、以前書きました(全国チェーンが戦いにくいマーケット【4】東京と鳥取の「輸送機関分担率」の違い)。

つまり、「良い立地」の定義は一義的ではなく、場合により異なりうるのです。

例えば、私は八王子市の郊外に居住しています。車社会で、駅は都心に出るときにしか利用しません。

では、このような郊外型の市場で「良い立地」とは?となると、全国展開するナショナルチェーンの企業は、駅以外の集客力がある施設、例えば、大型商業施設、主要交差点などを通常は考えます。

道路交通量の多い主要な街道沿いも検討対象になります。ロードサイド銀座が形成されるのはそのためです。

そのうち今回は、ケーススタディーとして、八王子市の「楢原町」という交差点をとり上げます。高尾街道と秋川街道という大きな街道が交わる主要交差点です。

交差点付近の写真をご覧ください。どのような店舗が出店しているかをご覧いただきたいのですが、何か気づくことはありませんか?

楢原町交差点

「和食のさと」「丸亀製麺・釜揚げうどん」「おそば増田屋」などの全国チェーンの店舗が見えますね。車社会の交差点脇なので駐車場付きです。

他はいかがですか?和食のさとの対面の角地にあるものは何でしょう?分かりにくいので、「おそば増田屋」の前からの撮影した景色をご覧ください。

楢原町交差点の学習塾

「代々木進学ゼミナール」という学習塾でした。

更に、これに気づかれる方は少ないと思されますが、写真の左には「スクールIE」という別の系列の学習塾があります。この写真を撮影したのは15:30ごろですが、中学生がメイン顧客なのかまだ開いていませんでした。

高尾街道と秋川街道が交わる主要交差点脇に学習塾が立地する必要があるのでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

続きは次号のブログで。