大学の新講座“出店戦略”、第2講が終了しました。朝9時スタートにも関わらず、また、前回あれほど情報洪水でいじめたにも関わらず、前回とほぼ同数の学生が御出席くださいました。
今回は、早速、立地選定の問題ということで、この図の板書をしました。
第1講で動線ということを話したので、関連して、宮城県仙台駅周辺の強力動線に関する問題を出してみました。受講生のうち、仙台に行ったことのある学生は1名(盛岡市出身)ということで、答えられる人はいないだろうと思いましたが。
【問題】
- 1~3の商業施設名は?
- a ~ eの路面に出店機会がある場合、どれを選ぶか?
です。どうぞ。
知らなかったら、いくら考えても答えはでませんのでスマホ等で調べていただいて結構です。
1. は地元の百貨店です。3. は全国区の百貨店です。2. は若者向けのテナントの多い施設。駅からこれらを結ぶように動線が形成されています。
問題1の正解は、
- 藤崎
- 仙台フォーラス
- 三越
です。
さて、問題2はどうですか?
- 立地は一度選ぶと、失敗したからといって短期的に変更することは困難です。
- 店内に関すること、商品、サービス、価格等は短期間で変えられます。しかし立地はどうではない。なぜ?その場所で開業するため、店舗開業前に“設備投資”のための莫大なキャッシュ・アウトが生じます。それを開業後に稼いで“回収”して、それが終わって初めてキャッシュが増えていくわけ。
- 回収する期間は長い方が良いですか?短い方が良いですか?短い方が良いです。だから“長期的”に収益が上げられる立地を選ばなければならないのです。
- “長期的”の意味が分かりますか?開店直後に来店してもらうだけではだめで、一度来店した顧客に継続的に利用されるようにならなければ長期的に収益を上げることは期待できないのです。その際に重要度が増すのが“行きやすさ”という“立地の利便性”となるのです。お客さんはいつまでも“わざわざ”あなたの店に来てくれるか?来ない。そのような甘い期待をしてはいけないのです。
…こんな話をしながら、学生に、a~eのどの立地を選ぶべきか、結論を出してもらいました。
その結果、aとbを選んだ学生はゼロ。cが2名程度。dが約20名。残り約10名がeを選択しました。一番人気はd。恐らく、動線の根元に近い仙台駅に近く、動線にしっかり乗っているので選んだものと思われます。
が、当講義では、“残念ながら、dは最も危険な立地である”としました。
まんまと引っかかった学生に“なぜか?”考えてもらいました。
なぜでしょう?
続きは次回のブログで。