多店舗化するチェーン企業において、「店舗開発」という機能は必要不可欠なものです。「店舗開発」業務を担当されている方の数は相当数にのぼると思われます。
それにも関わらず、「店舗開発」「立地開発」という言葉は経営においてもメジャーなものとはいえず、多くのビジネスパーソンには正しく認識されていません。経営に関する本を手にとってみても「店舗開発」という言葉がとりあげられていることは稀です。
それはなぜかというと、「店舗開発」という業務の内容や方法に関する知識が“体系化”されていないためです。
チェーン企業というものが比較的新しいものであることが原因なのですが、これだけ小売業界での重要性が増しているにも関わらず、知識を体系化すべき役割を持つ人々もそれを十分に扱ってこなかったのです。しかし、こうした状況にもそろそろ終止符を打ちたいものです。
店舗を開業するということは、店舗開業後、そこで中長期的に収益をあげるための投資活動であり、売上高や固定的にかかる多くの費用を確定させるものです。よって、経営者層への物件提案では、『なぜ』『今』『そこに』その金額を投下すべきかという“出店の意義”をロジカルに説明することが求められるはずです。しかし、それを難しく感じる方も多いと思います。それは確かに大変難しいことで、その感覚は正しいです。後述しますが、多店舗化するチェーン企業の出店に関連する問題は想像以上に複雑で難しいものなのです。そしてこの難しい問題に一人一人が独自の方法で対処しているのが現状だと思います。その結果、店舗開発担当の説明には論理一貫性や説得力が欠け、他部署から十分な信頼が得られず、出店に向けた社内合意を得るのに多くの時間と労力が割かれることになります。
市場縮小が避けられない今日、こうした状況を打破し、この難しい問題に的確に対処できるように店舗開発担当者もそろそろ“理論武装”を真剣に行う必要があるように思います。社内で信頼され、よりメジャーな部署になるよう、まずは店舗開発担当者が変わらなければなりません。
弊社ではこうした理論武装をお手伝いするセミナー『店舗開発という仕事(初級編・中級編・上級編)』を今年から立ち上げ、実施してきましたが、必要性や重要性をご理解いただける方が想像以上に多いという感触を得ました。そこで、来年から内容をリニューアルし、教科書の出版準備も進めています。主旨に賛同される方はご記憶ください。吉祥寺駅徒歩5分の武蔵野商工会議所で毎月開催しています(開催スケジュールはこちら)。最新情報は弊社のメールマガジンでお知らせいたしますのでご興味のある方はこちらからぜひお気軽にご登録をお願いします。
なぜ店舗開発が理解されていないのか、経営に関する知見の現状について次回はお話したいと思います。“分かってもらえない”と嘆くのはやめ、理論武装を開始しましょう!続きは次回のブログで。
このシリーズは、先日「第18回 関東 店舗開発情報交流会(於虎ノ門)」(197社303名参加)で弊社が講演させていたただいた内容の補足として書き始めました。『店舗開発情報交流会』は、店舗を有しチェーン展開を行う企業の店舗開発実務担当者を会員とする組織で、店舗開発に有意義な情報交換を行うことを目的としています。ご興味のある方はこちら(http://sdc-j.jp/)より事務局にお問い合わせください。