『原宿ALTA』に関する消費者行動データ(速報)

福徳社では、開業時に話題性の高かった首都圏大型商業施設につき、開業後1年以上を経過した現時点でどの程度消費者の日常的購買行動に定着したかを消費者行動から検証する独自リサーチ『商業施設利用実態調査2015』を実施しました。ここでは、2015年から調査を開始した新しい商業施設について、調査結果の速報をご報告します。

2015年から調査を開始した新しい商業施設『原宿ALTA』は、2015年6月調査実施時点では、開業後3か月が経過したばかりでした。レポート「商業施設利用実態調査2015【原宿ALTA速報編】」では、リサーチ結果を表やグラフとともに詳しく解説していますが、ここでは概要をご紹介します。

『原宿ALTA』は、商圏の広がりが広域にわたり、原宿の竹下通りという観光地的な立地である点から、「東京ソラマチ東京スカイツリータウン」や「ダイバーシティ東京」と類似のカテゴリーに属する商業施設といえるため、これらの商業施設の分析が参考になるでしょう。そうだとすると、利用経験者のリピートを確保しリーセンシーを落とさないようにすることが消費者の定着に向けて必要となるでしょう。そのためには、飽きられないように、継続的な集客アイデアのリフレッシュと情報発信が重要になると考えられます。

リサーチ結果(速報)

  • 認知度は、1都3県で13.5%にとどまる。都県別の差はあまりない。
  • 利用経験率も、1都3県で5.7%にとどまる。
  • 出現した利用経験者28人中半数以上の16人が、既にリピートしている。利用回数平均は2.11回である。
  • 今後利用意向では、出現した利用経験者28人中6人が今後「利用したくない」「あまり利用したくない」と答えている点が気になる。
  • 利用経験者のプロフィールは特色がある。性別では女性、年代別では10~20代、婚姻の有無では未婚の人の比率が高い。学生比率も高い。
  • 利用経験者の居住都県に有意差はなく、関東広域から来客しているようである。
  • 原宿ALTA」利用経験者のうち、他の調査対象施設の利用経験があると答えた人(併用率)の特徴は以下の通りである。
    • 広域から集客している「渋谷ヒカリエ」「東京ソラマチ東京スカイツリータウン」「ダイバーシティ東京」の利用経験者が多いことは、他の商業施設と同様である。
    • ターミナル駅に隣接する「ビックロ」の利用経験者も多い。
    • その他、1都3県の大型商業施設利用経験者がまんべんなく出現していることから、広域から集客している様子が読み取れる。
    • 今回の調査対象施設以外でよく利用する商業施設を尋ねたところ、「原宿ALTA」利用経験者(全28人)が挙げた商業施設名は広域にわたっており、商圏の広さが読み取れる。

以上です。ご自身の印象と比べて、いかがでしたか?

これまでの大型商業施設は、施設の規模を大型化し、そのテナントミックスにより魅力を高めれば顧客を遠方からでも集めることができるという考え方に基づき、立地を主体的に創造してきました。

しかし、この首都圏の大型商業施設の利用実態調査を見ると、限られた領域に複数の大型商業施設の開発が進めば、単に施設の規模が大きく、希少性のあるテナントがあるという理由だけで、広域からの集客、更には、顧客の常連化が達成できるとは限らないということが考察できます。

また、開業前はもちろんですが、開業後も新たな情報を継続的に発信していくことが、施設そのものの認知度を維持・向上するために必要であることが考察できます。消費者は記憶した事柄を容易に忘却するものであり、何の刺激もなければ認知度は低下します。周囲に新たな商業施設が次々と開業すれば猶更です。

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