商圏が広く人気の『ダイバーシティ東京』今後利用意向回復が課題

福徳社では、開業時に話題性の高かった首都圏大型商業施設につき、開業後1年以上を経過した現時点でどの程度消費者の日常的購買行動に定着したかを消費者行動から検証する独自リサーチ『商業施設利用実態調査2015』を実施しました。その結果の概要をお知らせします。

『ダイバーシティ東京』は、本リサーチの分析結果では、『ビックロ』とともに【消費者の「離脱が進みそう」な商業施設】グループに分類されました。利用経験者による利用回数は平均を上回っているものの、リーセンシーが低いことから、以前はよく使われていたが最近リピートが減っていると考えられるためです。

リサーチ結果(サマリー)
  • 『ダイバーシティ東京』は、東京都の女性を中心として認知度が高く、利用経験率も高く、特に若い女性は4割が行ったことがあるなど、人気スポットであることが分かります。リピーター比率、平均利用回数も比較的高い数値が出ています。
  • 観光地的な要素のある立地からか、関東の広い商圏からまんべんなく集客している点も特徴的です。
  • 一方で、顧客の定着率が低いという特徴がみられます。これは主に、リーセンシー(最後『ダイバーシティ東京』にいつ行ったか)が長い、つまり、利用経験者が最近あまり行っていないことと、今後の利用意向が低い利用経験者の比率が高いことに起因します。以前はよく利用されていたものの、最近は顧客離れが進みつつあることの兆候と読み取れます。ユーザーのリーセンシーと今後利用意向を上げることが、『ダイバーシティ東京』が「定着した商業施設」になるための最大の課題といえるでしょう。
  • 開業から3年が経過し、オープン時に話題を呼んだ「実物大ガンダム立像」などの仕掛けも、インパクトが薄れてきている可能性が考えられます。商業施設全体として、話題性のテコ入れが必要な時期にきているのかもしれません。
リサーチ結果(詳細)
1.認知度

『ダイバーシティ東京』を「知っている」と答えた人の割合は、全回答者(1都3県に住む男女合計)の45.7%でした。これは、調査対象施設では、『ビックロ』『三井アウトレットパーク木更津』『酒々井プレミアムアウトレットモール』と同程度の認知度であり、関東でよく知られた商業施設の一つであるといえるでしょう。

  • 都県別で見ると、東京都で認知が高く、埼玉県では比較的低かった。
  • 性別で見ると、女性の間で認知度が高く、男性の間では認知度が比較的低かった。
  • 性年齢別で見ると、10~40代女性の間で認知度が高かった。特に、10代~20代の若い女性の間で認知度が高い。逆に、シニア男性の間では認知度が比較的低い。

一方で、時間とともに忘却も進む傾向にあります。

  • 都県別に見ると、神奈川県、千葉県、埼玉県で忘却が進んでいる。足元の東京都では、認知の落ち方は緩やかである。
  • 性別で見ると、男女ともに忘却が進んでいる。
  • 性年齢別で見ると、特に30~40代男女とシニア男性の間で認知が下がっている。逆に、10~20代の若い男女とシニア女性の間では忘却は進んでいない。観光地的な性格の立地から、「遊びに行く」ことにアクティブな層にはまだまだ人気のスポットといえるかもしれない。
2.利用経験率

『ダイバーシティ東京』を「利用したことがある」と答えた人の割合は、全回答者(1都3県に住む男女合計)の23.8%でした。プロフィールを見ると、若い人、特に女性に人気の商業施設であることがわかります。

  • 男女別では、利用経験者に占める女性の比率が62.7%と高い。
  • 利用経験者の平均年齢は37.2歳で回答者全体より若い。年代では10代~20代、30代~40代の比率が全体より高く、逆にシニア層の比率は全体より低い。
  • 利用経験者の職業別で「無職・定年退職」の人の比率が全体より低いことは、都市型商業施設共通の特徴である。
  • 都県別集計では、埼玉県における利用経験率が比較的低いが、東京都、神奈川県、千葉県からは、まんべんなく集客している。商圏が広いことがうかがえる。
  • 性別の集計では、男性の利用経験率が比較的低い。性年齢別集計では、10代~20代女性の利用経験率が40.2%と特に高く、30~40代女性の利用経験率も高い。一方、シニア男女の利用経験率は低い。

前回調査時(2014年6月)における『ダイバーシティ東京』利用経験率と2015年6月の結果では、全体としても、県別、性年齢別などのクロス集計でも、昨年からの有意な変化はありませんでした。ニュートライヤーの拡大が一巡しかけている兆候ともとらえられます。

3.利用経験者の利用状況

『ダイバーシティ東京』は、開業直後はよくリピートされていたが、定着度は頭打ちとなり、リーセンシーと今後利用意向は低下傾向にあることが読み取れます。これは、顧客離れが進みつつある兆候ともとらえられます。

  • 『ダイバーシティ東京』利用経験者の49.2%が「開業直後に行った」と答えている。
  • 開業直後利用者の70.7%が、その後リピートしている。
  • リピーター比率は67.8%で、3回以上利用経験者も46.6%を占める。
  • 平均利用回数は2.64回で、調査対象施設の平均を上回っている。
  • 一方で、定着率は11.9%と、調査対象施設平均より低い。
  • リーセンシーが13.5ヶ月で調査対象施設中最も長い。3ヶ月以内利用者の比率も、16.1%と、調査対象施設中最も低い。1年以上利用していない利用経験者の比率は、調査対象施設中で唯一、5割を超えている。
  • 今後利用意向の低い利用経験者の割合が、調査対象施設中で最も高い。
4.他の商業施設との併用状況

商業施設利用実態調査2015【ダイバーシティ東京編】では、『ダイバーシティ東京』利用経験者のうち、他の調査対象商業施設の利用経験があると答えた人の割合(併用率)詳細に示しています。これを見ると、『ダイバーシティ東京』が関東広域から集客している様子がよくわかります。

  • 『ダイバーシティ東京』利用経験者のうち、他の調査対象施設の利用経験があると答えた人の割合を集計したところ、広域から集客している『東京ソラマチ東京スカイツリータウン』『渋谷ヒカリエ』との併用率が高かった。これは、他商業施設利用経験者と同様である。
  • その他、1都3県の商業施設が幅広く併用されていることから、『ダイバーシティ東京』が広域から集客していることがうかがえる。
  • 今回の調査対象施設以外でよく利用する商業施設を自由回答で尋ねたところ、 『ダイバーシティ東京』利用経験者の14.4%が『ららぽーとTOKYO-BAY』をよく利用すると答えた。その他、1都3県の商業施設名が数多く挙がった。この結果からも、 『ダイバーシティ東京』の商圏の広さがうかがえる。
  • 他の調査対象施設利用経験者にたずねても、 『ダイバーシティ東京』の利用経験があると答えた人はおおむね4~5割出現し、どの調査対象施設利用経験者においてもまんべんなく高い利用経験率を示した。このことからも、 『ダイバーシティ東京』の商圏の広さがうかがえる。

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