今回の調査レポートで「有名ブランド」に分類されたのは、首都圏での認知度が70.5%~88.6%と7割を超える『サンマルクカフェ』『コメダ珈琲店』『ファーストキッチン』『イケア』『バーガーキング』『上島珈琲店』『フレッシュネスバーガー』『ウェンディーズ』『クリスピー・クリーム・ドーナツ』の9ブランドでした。
(前回の続き)リテールブランド浸透度調査のデータで、調査対象ブランドのMPFS分類をしてみました。
『リテールブランド浸透度調査2016』調査対象ブランド(全26ブランド)
● マクドナルド ● モスバーガー ● フレッシュネスバーガー ● ロッテリア ● バーガーキング ● ファーストキッチン ● ウェンディーズ ● クア・アイナ ● シェイク シャック ● カールスジュニア ● スターバックス コーヒー ● タリーズコーヒー ● コメダ珈琲店 ● 上島珈琲店 ● サンマルクカフェ ● コーヒービーン&ティーリーフ ● ブルーボトルコーヒー ● クリスピー・クリーム・ドーナツ ● ギャレット ポップコーン ショップス ● コールド・ストーン・クリーマリー ● パイフェイス ● タコベル ● イケア ● フライング タイガー コペンハーゲン ● ラッシュ ● ロクシタン
定番化のすぐ前の段階にあるブランドが「有名ブランド」です。定番化まではいかないものの、多くの人が存在を知っている有名なブランドになっていることを意味します。定番化するブランドであれば、その過程で必ず到達しなければならない状態であると言えます。
今回の調査レポートで「有名ブランド」に分類されたのは、首都圏での認知度が70.5%~88.6%と7割を超える(1)サンマルクカフェ(2)コメダ珈琲店(3)ファーストキッチン(4)イケア(5)バーガーキング(6)上島珈琲店(7)フレッシュネスバーガー(8)ウェンディーズ(9)クリスピー・クリーム・ドーナツの9ブランドでした。
なお、有名であることと、定番化されている状態は異なると考えるべきです。定番化とは、有名であることを超えて、消費者の生活圏内においては“あって当たり前”に近い状態です。名前は知っているが、身近に店舗がないため行ったことがない、あるいは、行ったことはあっても、はるか前でいつ行ったか覚えていないようなブランドは、定番化しているとは言えないのです。
レポートでは認知度と総店舗数の関係をとりあげましたが、総店舗数600店舗以上の『コメダ珈琲店』と『サンマルクカフェ』の認知度は80%台に留まりました。その理由は首都圏(1都3県)の店舗数がまだ300店舗に満たないためと考えられます。
ただ、『サンマルクカフェ』については、女性の間だけでみると既に認知度が9割を超えており、このまま順調に首都圏での出店が進めば、定番化も近そうに感じました。
また、ブランド認知度と利用経験率は、一方だけが高まることはなく、互いに高めあう関係にあることがデータから読み取れます。一時的な話題性によりブランド認知度が高まっても、出店により消費者の利用経験率を同時に高めていかなければ、M→P→F→Sの階段を上がっていくことはできないことが示唆されています。
ブランド認知度の高さに相応した利用経験率が獲得できていないブランドは、「有名ブランド」に分類されたブランドに多く出現しました。特に『上島珈琲店』は、ブランドを知っているが利用経験のない人の割合が調査対象ブランド平均を上回りました。これらのブランドでは、出店が足りないことによる機会損失が推定されます。逆に、今後積極的に出店することにより、次のステージに行けるポテンシャルが高いブランドと捉えることもできるでしょう。
次回は「人気ブランド」に分類された調査対象ブランドをとりあげます。