今回の調査レポートで「人気ブランド」に分類されたのは、首都圏での認知度が41.5%~57.8%と4割を超える『フライング タイガー コペンハーゲン』『コールド・ストーン・クリーマリー』『ラッシュ』『ロクシタン』の4ブランドでした。

前回の続き)リテールブランド浸透度調査のデータで、調査対象ブランドのMPFS分類をしてみました。

『リテールブランド浸透度調査2016』調査対象ブランド(全26ブランド)
マクドナルドモスバーガーフレッシュネスバーガーロッテリアバーガーキング● ファーストキッチンウェンディーズクア・アイナシェイク シャックカールスジュニアスターバックス コーヒータリーズコーヒーコメダ珈琲店上島珈琲店サンマルクカフェコーヒービーン&ティーリーフブルーボトルコーヒークリスピー・クリーム・ドーナツギャレット ポップコーン ショップスコールド・ストーン・クリーマリーパイフェイスタコベルイケアフライング タイガー コペンハーゲンラッシュロクシタン

MPFSモデル

リテールブランドが定番化するまでの4段階の最初はM(Mania)、マニアなファンがついている状態。3番目はF(Famous)、多くの人々に知られた有名な状態。最後が定番化のS(Standard)でした。そして、MとFを結ぶのがPopularのP、「人気ブランド」の段階です。これは、マニアだけだったファン層が急激に拡大する段階です。話題性が高まり、口コミ・ソーシャルメディアでの情報拡散やマスメディアへの露出などが増え、それに伴い新規出店も加速するなど、リテールブランドが活性化している状態です。この時期にPR活動に力を入れると、面白いように認知度が上がっていき、売上も全体的に底上げされます。そのブランドを知っている人の数も大幅に増加し、「有名ブランド(F)」の仲間入りを果たすための地力をつける段階です。

今回の調査レポートで「人気ブランド」に分類されたのは、首都圏での認知度が41.5%~57.8%と4割を超える(1)フライング タイガー コペンハーゲン(2)コールド・ストーン・クリーマリー(3)ラッシュ(4)ロクシタンの4ブランドでした。

これらのブランドの利用経験率は、27.1%~38.9%と、4割未満にとどまっています。ブランド認知度と利用経験率は互いに高めあう関係にあり、一時的な話題性によりブランド認知度が高まっても、出店により消費者の利用経験率をも同時に高めていかなければ、次のステージに上がることはできません。今後の出店が注目されます。

ただし、女性だけでみると、既に『ロクシタン』は認知度78.0%、利用経験率56.5%(いずれも『クリスピー・クリーム・ドーナツ』と同じ)に達しており、女性の間では「有名ブランド」に分類されてしかるべきでしょう。

次回は、「マニアブランド」に分類された調査対象ブランドをとりあげます。