前回まで、店舗開発という仕事では、「空き物件を探す」「出回り物件を集める」といった“受動的”な開発ではなく、そこから一歩進んで、出回る前の情報を獲得するために“能動的”な活動が求められるということ、そのために、現状は空いていない営業中の店舗で、将来的に空き物件になりそうな店舗を意識して考える方法としての“閉店予想”という考え方をお話してきました。
今回は、さらにもう一歩進んだ考え方をご紹介します。
それは、“受動的”から“能動的”、更に進んだ“積極的・攻撃的”な情報収集と呼べるものです。“攻めの店舗開発“ともいいます。具体的にはどのようなやり方でしょうか?
これまでお会いした店舗開発のベテランの方々の言葉をいくつか盛り込んで“編集”してみますと、次のようなことが言えそうです。
受動的から能動的への流れをさらに進めると、空き物件になりそうもない営業中の店舗を対象とする、ということになります。あるエリア内にある営業中の店舗や駐車場などの施設で、自社が出店したいところを選定して狙いを定め、そこを自社の店舗に入れ替えるには?と考えるのです。
具体的な活動項目としては、地主さんを自ら直接説得する、自社の店舗を開けることで土地活用の方法としてメリットがあることを示す、地主さんに対して働きかけてもらうよう不動産業者に依頼する、などがあげられます。
しかし、このような積極的・攻撃的方法は、試す場合は注意が必要です。
仮に物件化が叶った場合は、社内調整の失敗は許されません。社内を通すことに失敗してしまった場合、先駆けて情報を教えていただける対象から除外されてしまうと思いましょう。“この人は通せないと思ったら紹介しなくなる”とおっしゃっていた商業物件専門の不動産会社の担当者もいらっしゃいました。
出店は限られた“売れる立地”をとりあう競争であり、お店が開業する陰には、店舗開発担当者の知恵とリスクを負いながらの行動があります。
以上、路面店舗の情報収集に関する総論的な考え方でした。詳しくはこちらの動画でお話させていただいております。
次は商業施設の物件情報収集です。これは路面店と少しおもむきが異なります。近々YouTube「店舗開発という仕事チャンネル」に動画をアップさせていただきますので、ご興味のある方はぜひチャンネル登録もどうぞよろしくお願いいたします。
店舗物件情報の収集方法は?④上級編「攻めの開発」とは(初心者向け注意事項付)
店舗開発者にとって永遠のテーマ「物件情報がなかなか集まらない」問題を考えるシリーズ④は、路面店編最終回。出店を狙う街での、受動的情報収集→能動的情報収集→その先の上級者テクニック”攻めの開発”とは?しかし簡単にはマネすべきでない理由とは?