総務省のデータを使って市場規模を計算してみよう

前回の続きです。総務省のホームページでは、住民人口台帳に基づく人口、人口動態、世帯数(平成25年3月31日時点)があります。せっかく税金を支払っているのですから、徹底的に活用して元を取りましょう。手始めに、エクセルファイル【総計】平成25年住民基本台帳年齢別人口(市区町村別)をダウンロードして、眺めてみてください。

表1は【総計】平成25年住民基本台帳年齢別人口(市区町村別)から抜粋した性別・年齢別の人口を示しています。年齢が35-39, 40-44, 60-64が900万人を上回りボリュームの大きいゾーンであることが分かります。人口の男女の差をみると、女性の寿命が長いことが良くわかります。

性別
総数 128,373,879 62,588,804 65,785,075
0~4歳 5,335,073 2,734,907 2,600,166
5~9歳 5,516,356 2,827,354 2,689,002
10~14歳 5,927,547 3,038,926 2,888,621
15~19歳 6,055,060 3,092,462 2,962,598
20~24歳 6,360,904 3,242,469 3,118,435
25~29歳 7,252,069 3,698,729 3,553,340
30~34歳 8,004,637 4,076,674 3,927,963
35~39歳 9,425,366 4,797,994 4,627,372
40~44歳 9,715,554 4,929,732 4,785,822
45~49歳 8,340,093 4,208,499 4,131,594
50~54歳 7,736,686 3,882,245 3,854,441
55~59歳 7,820,757 3,897,029 3,923,728
60~64歳 9,915,443 4,882,580 5,032,863
65~69歳 8,415,356 4,051,116 4,364,240
70~74歳 7,344,021 3,416,493 3,927,528
75~79歳 6,216,704 2,727,566 3,489,138
80歳以上 8,992,178 3,084,004 5,908,174

出所 総務省【総計】平成25年住民基本台帳年齢別人口(市区町村別)より

一般の消費者により消費される商品・サービスの市場規模を推定する際の出発点はこの人口データです。(企業により消費される場合は事業所数ですが、ここでは割愛します。)

この人口データを下記のように処理することで市場規模を求めます。

人口×利用者比率(%)×利用回数(回)×一回当たりの利用金額(円)=市場規模(円)

全人口が利用する利用者比率は利用する人の割合です。人口にそれをかけることで“人口ベース”での市場規模が求まります。

人口ベースの市場規模に利用者の年間の利用回数をかけることで“回数(数量)ベース”での市場規模が求まります。

それに一回当たりの利用金額(客単価)をかけることで“金額ベース”での市場規模が求まります。

このように市場規模は3つのレベルで定義することができ、状況により使い分けることができます。

市場規模は、式にある4つの数字が変化することにより拡大したり縮小したりします。人口が減少する中で市場規模を拡大するには、利用回数を増やす、ないしは客単価を上げることを考えなければなりません。

では人口以外の3つの数字はどのようにして決定すれば良いのでしょう?これも“二次データ”を探すことを考えます。

【その5】に続く