昨日の続きです。学習塾を含むサービス企業は成長するために店舗展開を進めます。多くの小売業、サービス業のマネジメントに関する文献に成長戦略の選択肢が示されていますが、それらの多くは前回ご説明した“アンゾフの成長ベクトル”をベースにしているようです。図は、アンゾフの成長ベクトルを小売業に適用したものの例です。

製品-市場マトリクスの、製品が業態に、市場がターゲット市場(地理的市場を意味すると考えて良いでしょう)に、それぞれ置き換えられています。

Retail_Growth_Strategy_Matrix

  1. 市場浸透はそのまま市場浸透です。これはある特定の地理的市場(エリア)に単一業態を追加的に出店することで、ストアブランドを浸透させることを意味します。
  2. 市場拡大は、市場開発に該当し、これは既存の業態を新たなエリアに出店し、店舗網を地理的に拡大することを意味します。
  3. 新商品開発は、店舗展開の文脈では、新たな業態を開発することを意味します。複数のストアブランドで既に出店済みの既存のエリアをカバーすることを意味します。
  4. 多角化もそのまま多角化です。これは市場拡大業態開発を同時並行で進めることを意味します。

サービス企業の多店舗化は4つの選択肢のどれに当てはまるでしょう?

業態開発を行わず、既存の業態の店舗数を増やすのであれば、“市場浸透”ないしは“市場拡大”に該当します。図の破線で囲まれた部分です。

ここまでが小売業の管理に関する文献に記載されている内容ですが、これに批判を加えるとしたら、皆さんはどのようなことを指摘されますか?

続きは明日のブログで。

<参考文献>Levy, M. and B. A. Weitz. (2004). Retailing Management. McGraw Hill.