昨日、お示しした図を再掲します。

Retail_Growth_Strategy_Matrix

これは小売業の管理に関する文献に記載されている内容です。

既に記載されているということは先人が記載したもの、丁寧に表現すれば、先人が考えに考えた末に得た知見を公表したものです。

これに対し、現実世界が刻々と変化するため、古今東西に適用可能な完璧な知見というものは存在しないと考え、先人による知見に対して批判を加え、それをよりうまく現実を説明できるものに改良していく姿勢を持てる人は持つ必要があります。

もし皆さんなら、図の小売業の成長戦略の選択肢に対してどのような批判を加えられますか?

僭越ながら、私自身は次のように考えました。

「サービス企業が単一業態で多店舗化を進める」という文脈にこの選択肢を適用した場合、破線部分が選択肢になるのですが、市場浸透と市場拡大が選択肢として存在するというのは至極当然のことなのではないか、ということです。2つの選択肢があるという知見は、あまりにもラフ単純なものではないか、ということです。

それを克服するために、私は、図の破線部分を精緻化すること、つまり、2者択一的なシンプルなフレームワークをより現実に適用可能なように改善・修正すること、が必要だと考えました。そのため私自身は、図の破線部分を切り取り、その内部を改善・修正することにより、サービス企業が多店舗化するうえで役立つツールに変えることを試みました。

詳しくは、また続きの記事でご紹介します。

<参考文献>Levy, M. and B. A. Weitz. (2004). Retailing Management. McGraw Hill.