地図を見て、何を確認するか?

当ブログでは、店舗開発者の皆様向けに、市場分析の方法や、物件調査の方法など、タダでできる市場調査の方法をいろいろとご紹介しています。

それらを用いた実践編ということで、前回に続き、「ラーメン二郎」さんを題材にお話をさせていただきます。筆者にとっては、母校のそばのお店に通っていた頃からの歴史の長いラーメン屋さんですが、今回は、その出店・店舗開発という視点から迫ってみたいと思います。

今回は、京王線の仙川駅の近くにある仙川店を題材として、既存店分析の方法の一部をご紹介したいと思います。まずは、こちらの地図をご確認ください。

この地図を見て、どのようなことを確認するべきでしょうか?

仙川という駅の周辺は、通常のチェーン店が出店する場所(「出店ゾーン」ともいいます)がかなり狭くて限られている市場です。直感的には、攻めづらいイメージがあります。

その中で見ていくと、この「ラーメン二郎仙川店」は、仙川駅の改札から約100メートルほどのところにあります。他店全てを確認はしていませんが、恐らく駅から最も近いラーメン二郎なのではないかと思います。

このように、地図で確認できることをまずはどんどん確認していきます。

jSTAT MAPで確認すること

では、このラーメン二郎仙川店の徒歩20分商圏はどういう形になるか?を確認してみたいと思います。そんなときに使えるものがありましたね。「jSTAT MAP」です。

jSTAT MAPを使って商圏を出してみると、商圏の偏りが小さいことが分かります。強引にいうと、同心円状にきれいに広がっている印象です。仙川駅は、駅の反対側から反対側へ割と行きやすくできている駅ですが、そのようなことも手伝って、偏りが少なく、きれいに徒歩20分圏が広がっているということがわかります。

次に、その徒歩20分圏の中に人がどのぐらい住んでいるのか、世帯がどのぐらいあるのか知りたくなります。そんな時に使える、jSTAT MAPのリッチレポートというものがありました。

これを作成してみると、店舗の徒歩20分圏内は、人口が45,753人、世帯数では23,295世帯であることが確認できます。

また、人口を世帯数で割った世帯人員(一世帯あたりの平均人数)は1.96人となります。jSTAT MAPのリッチレポートでは、店舗が存在する調布市や東京都の数字も確認できますので、比較してみます。すると、調布市の場合、一世帯当たり人員を計算すると2.07人ですので、調布市全体に比べると、一世帯当たりの人数が少ないこともわかります。単身世帯や二人世帯、世帯人数の少ない世帯比率が非常に高いのではないか、というようなことが推測できます。単身世帯数が1万1千人台で、半分弱が一人暮らしの世帯であるということも、リッチレポートの数表から確認ができます

このような具合に、数字から推測できることを考えていきます。現地に行かなくてもできることということで、デスクリサーチなどと言ったりもしますが、こういうデスクリサーチが、無料で使えるツールを活用してできます。

というところで、実際に現場に行ってみました。様子と解説は、こちらの動画でぜひご確認ください。続きは次回のブログで。