前回の続きです。海岸で、寄せては返す波を見ながら分かったことがあります。それは、最も後に波が到着した場所から波は引いていくということです。
それがどうした?と言われそうですが、ここで波を人に、海岸線を地理的市場に、それぞれ例えます。
人口増加・市場拡大の時代には、人々は広域まで歩いて街を回遊しました。しかし、人口減少・市場縮小の時代になると、人々は広域まで歩いて街を回遊しなくなります。
では、どこから人通りが減り始めるか?それは、最も後に人々が到着した場所です。
大規模な商業施設が百貨店しか無かったころ、多くの人々はまだ若く、ターミナル駅からはき出されるように街に出て買い物目的で広域まで回遊しました。
しかし、時が経つに連れて、百貨店以外の大型商業施設が郊外に現れると、人々の買い物の場は分散し、若い人はそちらを主に利用するようになりました。また、多くの人々が歳を重ねるにつれて、ターミナル駅からはき出されるように街に出たあと、かつてのように買い物目的で広域までは回遊しなくなりました。
施設間の競合、地域間の競合、人口減少、高齢化、インターネットの普及など、百貨店をとりまく環境は厳しく、各地の百貨店閉店のニュースが珍しくなくなりつつあります。これを受けて、商業施設に出店する企業にとって必要な知識の一つに、”今後閉店が予想される商業施設はどこか?”ということがあげられると思います。それを予想する
ためには、閉店する店舗の共通点は何かを把握する必要があります。
千葉市中心部を見る限り、千葉駅から歩いて到着するのが最後と最後から2番めの2店(『千葉パルコ』と『千葉三越』)が3月末までに閉店します。”最後に波が到着した場所から波は引いていく”。これは一つの仮説として記憶に留めても良いかもしれません。
この仮説がほかでも当てはまるか検証し、共有できることが見つかりましたら改めて共有させていただきます。(了)