八王子市最大級のショッピングセンター『iias(イーアス)高尾』オープンの記者会見が行われました。開業は6月22日だそうです。

最近、ある仕事の関係で“大型商業施設開発のこれまでとこれから”という内容のプレゼンをまとめており、“これから”の部分の材料にもってこいではないか?ということで現地調査をしてみました。

大型商業施設を見る場合、どうしてもテナントや内観に目が行きがちですが、大型商業施設では“それ以外”にも確認すべきことがあります。なぜなら、それらの要因が開業後の売上に強く影響すると考えられるためです。

現地調査に行く前に、まずはデスクリサーチから。八王子経済新聞の記事「八王子・高尾にショッピングセンター 大和ハウス工業が6月開業へ」と、大和ハウス工業のプレスリリースを参照させていただきます。読み取れる主な事実は以下の通りです。

  • ラピスセミコンダクタ八王子事業所という企業の土地を取得している。
  • 住商一体の『高尾サクラシティ』の中にあり、マンションや分譲住宅が完成している。
  • 八王子市最大級のショッピングセンターである。
  • 駐車台数は1,840台(平面駐車場518台、3F・屋上駐車場1,322台)
  • 近隣には国道20号や町田街道といった幹線道路がある。
  • 高尾より西側に商業施設はないので、商圏は大月くらいまで伸びる。
  • (出店者は)生活利便性を考慮して、ハイトレンドなものよりは実生活に合うものにした。 など

一部?と思うこともありますが、企業や工場だった土地を一部取得して大型商業施設を建設するケースはこれまでも多々ありました。

『iias(イーアス)高尾』も同様なのですが、そのような場合、事業所・工場に適している立地だからといって、商業施設の立地としても適しているとは必ずしも言えない、ということに注意する必要があります。

現地で確認するべきことは周辺の道路状況です。国道20号や町田街道が“近隣に”あることが気になります。国道20号と町田街道には面していないためです。工場に出入りする運転の上手い人には運転できても、買い物客、とくに女性、にとって運転しやすい道路でないことはよくあることなのです。

また、仮に商圏が大月まで伸びた場合、利用客は最寄りの圏央道・高尾山インターを通過して来ることが考えられますが、そこからのアクセスはどうかについても確認が必要です。“八王子市最大級のショッピングセンター”にしては駐車場台数が1,840台である点をどう考えるか?ちなみに近くの大型ショッピングセンター『イオンモール日の出』は3650台です。最大級をうたい、隣県からも集客を目論むうえで十分なのでしょうか?十分でないとしたら、収容しきれない車はどう待機するのか?などが気にかかるところです。

そして、実際に現調に行ってみました。ご報告は次回のブログで。