前回の続きです。近年のショッピングセンターでは、開業当初に存在したテナントの全てが長いこと変わらずに営業をし続けることは稀です。
なぜそこにその業態や店舗がなければならないのかが分かりかねるものや、施設内でテナント入れ替えが起こりやすい区画にあるものは、入れ替わることが考えられます。
この2つの要素の両方に当てはまるテナントは?という目で商業施設を見た時にどうであったかを、『グランフロント大阪』を例に前回より調べています。
繰り返しになりますが、グランフロント大阪は「大阪駅-南館-北館」の順に建物が並んでいます。
ほとんどの客は大阪駅からグランフロント大阪の敷地に侵入します。この場合、テナントの生存率は南館と北館とではどちらが高いのでしょう?大阪駅に近い南館の方が集客に有利であるという考え方もあれば、北館は北館でドンツキなのでそこでゆっくりする人も多いのではないかという考え方もあるでしょう。
遠方から梅田に来てグランフロント大阪を訪れる人の多くは、大阪駅から離れていても北館まで行くと思われます。せっかく来たんだし、南館だけ行くという中途半端なことはしないでしょう。行きは北館を目がけて歩くと仮定すると南館の前は素通りされる可能性が高いです。北館は高級ホテル、体験型の施設が多く滞在時間は長くなることが想像できます。となると帰りは帰りで足早になることが考えられますし、南館でゆっくりする時間は相対的に少なくなるように思われます。このように考えると通過点にあり、テナント数も多い南館の方が苦しいテナントが多いということになり、“生存率は北館の方が高い(南館の方が低い)”という仮説に至りました。
次回からフロアごとの変化を見ていきたいと思います。続きは次回のブログで。