首都圏の新しい商業施設が“現状”どのように消費者に利用されているのか?をあぶり出す消費者調査『商業施設利用実態調査2016』の結果より、各商業施設の“ユーザー像”に関するデータの速報をお届けします。本日は、調査対象商業施設を、利用経験者(「行ったことがある」と答えた人)の平均年齢が高かった順に並べてみましょう。

『商業施設利用実態調査2016』調査対象商業施設(開業日順)
 三井アウトレットパーク木更津   ダイバーシティ東京 プラザ   渋谷ヒカリエ   東京ソラマチ東京スカイツリータウン   ビックロ   KITTE   酒々井プレミアム・アウトレット   MARK IS みなとみらい   イオンモール幕張新都心   イケア立川   ららテラス武蔵小杉   キラリナ京王吉祥寺   大宮ラクーン   イオンモール木更津   グランツリー武蔵小杉   原宿ALTA   ららぽーと富士見   二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット   コクーンシティ   ららぽーと海老名   渋谷モディ   ららぽーと立川立飛
(調査年: 2014/2015/2016 ●2015/2016 2016)

調査対象商業施設の利用経験者の平均年齢は、44.3歳から32.8歳までの開きがありました。

最も平均年齢が高かったのは、東京駅前の『KITTE(キッテ)』でした。首都圏広域から老若男女が訪れていますが、利用経験者は50~60代の方の比率が相対的に高く、年齢層が高めの“大人”に利用されている商業施設のようです。和を意識した特徴あるコンテンツなどで独自色を打ち出している点が、“大人”に支持されているのかもしれません。

最も平均年齢が低かったのは、渋谷公園通り入り口の『渋谷モディ』でした。…といわれても、本リサーチによれば、『渋谷モディ』の認知度はまだ低く、9割方の首都圏消費者はそもそもどこだか分からない現状のようですが、『マルイシティ渋谷』が業態転換した商業施設です。利用経験者の6割が20代で、学生比率も高く、客層は若い人が中心です。開業時の報道によれば、『渋谷モディ』は、30~40代の“大人”をターゲットに館のコンセプトを開発したそうですが、渋谷の街に集まっているのは、やはり若者のようです。

意外に感じたのは、『グランツリー武蔵小杉』利用経験者の平均年齢が、『二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット』や『ららテラス武蔵小杉』よりも若かったことです。報道資料等によれば、『グランツリー武蔵小杉』のイメージターゲットは「子育てにも仕事にも一生懸命なハンサムウーマンとそのファミリー」ということで、働くママを核とした3世代消費を狙っていたようですが、調査対象商業施設との比較において、利用経験者の平均年齢は若く、20代が多く、既婚者比率も低いという結果となりました。

“大人”があまり回遊していない立地で、“大人”を狙ったテナントミックスの商業施設を構えても、“大人”がわざわざ来てくれるわけではないという【現状】が、本リサーチ結果全体から示唆されているように感じられます。

新しい首都圏大型商業施設のユーザー平均年齢ランキング2016【1都3県】

『商業施設利用実態調査2016』調査対象商業施設~利用経験者の平均年齢が高かった順

  • 【1位】KITTE
  • 【2位】二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット
  • 【3位】キラリナ京王吉祥寺
  • 【4位】渋谷ヒカリエ
  • 【5位】酒々井プレミアム・アウトレット
  • 【6位】東京ソラマチ東京スカイツリータウン
  • 【7位】イオンモール幕張新都心
  • 【8位】三井アウトレットパーク木更津
  • 【9位】イケア立川
  • 【10位】MARK IS みなとみらい
  • 【11位】ダイバーシティ東京 プラザ
  • 【12位】大宮ラクーン
  • 【13位】コクーンシティ
  • 【14位】ららぽーと富士見
  • 【15位】ららテラス武蔵小杉
  • 【16位】イオンモール木更津
  • 【17位】グランツリー武蔵小杉
  • 【18位】ビックロ
  • 【19位】ららぽーと海老名
  • 【20位】原宿ALTA
  • 【21位】ららぽーと立川立飛
  • 【22位】渋谷モディ

ご自身のイメージと比べて、いかがでしたか?

次回のランキングでは、調査対象各商業施設の商圏の広狭についてみてみましょう。「顧客住所の特定都県への集中度」を、ハーフィンダール・ハーシュマン指数(HHI)が高かった順に並べてみます。続きは次回のブログで。