首都圏の新しい商業施設が【現状】消費者にどう利用されているのか?をあぶり出す消費者調査『商業施設利用実態調査2016』の結果より、顧客住所の特定都県への集中度が高かった順に調査対象商業施設を並べてみましょう。

『商業施設利用実態調査2016』調査対象商業施設(開業日順)
 三井アウトレットパーク木更津   ダイバーシティ東京 プラザ   渋谷ヒカリエ   東京ソラマチ東京スカイツリータウン   ビックロ   KITTE   酒々井プレミアム・アウトレット   MARK IS みなとみらい   イオンモール幕張新都心   イケア立川   ららテラス武蔵小杉   キラリナ京王吉祥寺   大宮ラクーン   イオンモール木更津   グランツリー武蔵小杉   原宿ALTA   ららぽーと富士見   二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット   コクーンシティ   ららぽーと海老名   渋谷モディ   ららぽーと立川立飛
(調査年: 2014/2015/2016 ●2015/2016 2016)

小売業は、店舗個々の商圏に適切に対応することが求められる商圏対応業であるといえます。商業施設関係者にとって、現状における商圏の広狭を把握することはとても重要です。

本リサーチでは、各施設の商圏を把握するため、利用経験者の住所データ(都県レベル)のクロス集計を行いました。また、特定の都県にどの程度利用経験者が集中しているかを把握するため、ハーフィンダール・ハーシュマン指数(HHI)を用いました。HHIが高いほど顧客住所の特定都県への集中度が高いことを意味し、低いほど商圏が超広域に分散しているといえます。

HHIが2000台と相対的に低く、商圏が超広域に分散しているといえる商業施設は、『東京ソラマチ東京スカイツリータウン』『KITTE(キッテ)』『ダイバーシティ東京 プラザ』『渋谷ヒカリエ』『ビックロ』です。ターミナル機能のあるエリアに立地する施設や、観光地的色彩の強い施設が目立ち、広域からむらなく集客している様子が窺えます。

HHIが相対的に高い商業施設は、商圏が商業施設の足元に集中する度合いが高まる傾向にあります。埼玉県にある『大宮ラクーン』『ららぽーと富士見』『コクーンシティ』、神奈川県にある『ららぽーと海老名』『グランツリー武蔵小杉』『MARK IS みなとみらい』『ららテラス武蔵小杉』、千葉県にある『イオンモール幕張新都心』は、商業施設が立地する県に居住する利用経験者の比率が6割を上回り、商圏の広がりが限定的であることが読み取れます。

東京湾アクアラインや東急線を利用して訪れる神奈川県の顧客比率が高い『三井アウトレットパーク木更津』や『二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット』などのように、鉄道や道路の状況によっては複数の都県から集客する施設も見られ、それらのHHIは相対的に低い値を示しています。

県境に接する『ららぽーと立川立飛』『イケア立川』『イオンモール木更津』のHHIも相対的に低めですが、商圏がまたがる隣県の数字も一部足元商圏として考慮すべきでしょう。

新しい首都圏大型商業施設の「顧客住所の特定都県への集中度」ランキング2016

顧客住所の特定都県への集中度(HHI)が高かった順

  • 【1位】大宮ラクーン
  • 【2位】ららぽーと海老名
  • 【3位】ららぽーと富士見
  • 【4位】コクーンシティ
  • 【5位】グランツリー武蔵小杉
  • 【6位】MARK IS みなとみらい
  • 【7位】ららテラス武蔵小杉
  • 【8位】二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット
  • 【9位】酒々井プレミアム・アウトレット
  • 【10位】イオンモール幕張新都心
  • 【11位】イケア立川
  • 【12位】イオンモール木更津
  • 【13位】キラリナ京王吉祥寺
  • 【14位】渋谷モディ
  • 【15位】ららぽーと立川立飛
  • 【16位】三井アウトレットパーク木更津
  • 【17位】原宿ALTA
  • 【18位】ビックロ
  • 【19位】渋谷ヒカリエ
  • 【20位】ダイバーシティ東京 プラザ
  • 【21位】KITTE
  • 【22位】東京ソラマチ東京スカイツリータウン

以上です。ご自身のイメージと比べて、いかがでしたか?

『商業施設利用実態調査2016』レポート〔完全版〕では、2014年・2015年のデータもある調査対象商業施設については、HHI・利用経験者住所都県別比率の経年変化も掲載していますので、各施設の開業後の商圏が、都県レベルで広がっているのか、それとも足元に寄ってきているのかをみることもできます。

次回は結果速報ランキングシリーズ最終回です。調査対象商業施設以外で、被験者が「よく行く」と答えた商業施設のランキングをお届けします。調査対象商業施設以外で、首都圏消費者に人気の商業施設はどこか?の参考となるでしょう。続きは次回のブログで。