消費者が「定着している」商業施設になりそうな『二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット』~その理由と背景を消費者行動データから読み解く~

福徳社では、開業時に話題性の高かった首都圏大型商業施設につき、開業後1年以上を経過した現時点でどの程度消費者の日常的購買行動に定着したかを消費者行動から検証する独自リサーチ『商業施設利用実態調査2015』を実施しました。ここでは、2015年から調査を開始した新しい商業施設について、調査結果の速報をご報告します。

「商業施設利用実態調査2015」の分析では、『渋谷ヒカリエ』『マークイズみなとみらい(MARK IS みなとみらい)』『キラリナ京王吉祥寺』が、【消費者が「定着している」商業施設】グループに分類されました。リーセンシーとフリークエンシーがともに高く、定着した顧客の比率も3割以上と高いためです。

2015年から調査を開始した新しい『二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット』(調査時点では、まだ開業後1ヶ月が経過したばかりだった)も、速報のデータを見るところ、既に、【消費者が「定着している」商業施設】グループに入っていく可能性が高そうな傾向が読み取れます。商圏の広がりもそれなりにあり、利用経験者のリーセンシー、フリークエンシー、今後利用意向ともに高く、開業後1ヶ月にして既に消費者の日常的買い物の場として定着している様子が窺われるためです。

レポート「商業施設利用実態調査2015【二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット速報編】」では、リサーチ結果データの表やグラフとともに詳しく解説していますが、ここでは概要をご紹介します。

リサーチ結果(速報)

  • 認知度は、1都3県では17.0%にとどまるが、神奈川県では25%、東京都では21.6%の消費者に認知されている。
  • 同様に、利用経験率も、1都3県では8.1%にとどまるが、神奈川県だけで見ると16.7%の消費者が既に訪れている。
  • 出現した利用経験者40人中23人が、既に2回以上利用している。3回以上利用した人も16人にのぼる。利用回数平均は2.45回と高めであり、フリークエンシーは高そうである。
  • 出現した利用経験者40人中既に15人が、定着度を算出するために設定した「定着した人」の要件(①3回~5回以上利用経験のあるリピーターで、②直近3カ月以内にも利用経験があり、③今後の利用意向もあると答えた回答者)にあてはまる。
  • 3か月以内に利用した人が58.8%と、リーセンシーも高めである。
  • 今後利用意向では、9割の利用経験者が今後利用意向が高い。
  • 利用経験者のプロフィールは、性別、年齢別、婚姻の有無、職業別では回答者全体との有意差はなく、老若男女幅広い客層といえる。
  • 来客の半数が神奈川県から来ている。
  • 「二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット」利用経験者のうち、他の調査対象施設の利用経験があると答えた人(併用率)の概要は以下の通りである。
    • 東急田園都市線でつながる「渋谷ヒカリエ」の利用経験者が8割にのぼる。渋谷駅ユーザーが多いようである。「MARK IS みなとみらい」利用経験者も3割出現した。
    • 広域から集客している「東京ソラマチ東京スカイツリータウン」と「ダイバーシティ東京」の利用経験率が高いことは、他の商業施設と同様である。
    • ターミナル駅そばに立地する「ビックロ」「KITTE」利用経験者も多い。
    • 新しい「グランツリー武蔵小杉」の利用経験者が既に2割出現した。
    • 今回の調査対象施設以外でよく利用する商業施設を尋ねたところ、「二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット」利用経験者(全40人)の1割程度が「ららぽーと横浜」と「玉川高島屋S・C」をよく利用すると答えた。横浜エリア、渋谷エリアの商業施設とも併用されている。

以上です。ご自身の印象と比べて、いかがでしたか?

これまでの大型商業施設は、施設の規模を大型化し、そのテナントミックスにより魅力を高めれば顧客を遠方からでも集めることができるという考え方に基づき、立地を主体的に創造してきました。

しかし、この首都圏の大型商業施設の利用実態調査を見ると、限られた領域に複数の大型商業施設の開発が進めば、単に施設の規模が大きく、希少性のあるテナントがあるという理由だけで、広域からの集客、更には、顧客の常連化が達成できるとは限らないということが考察できます。

また、開業前はもちろんですが、開業後も新たな情報を継続的に発信していくことが、施設そのものの認知度を維持・向上するために必要であることが考察できます。消費者は記憶した事柄を容易に忘却するものであり、何の刺激もなければ認知度は低下します。周囲に新たな商業施設が次々と開業すれば猶更です。

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