『プラチナ ドン・キホーテ白金台店』に関する消費者行動データ(速報)

福徳社では、開業時に話題性の高かった首都圏大型商業施設につき、開業後1年以上を経過した現時点でどの程度消費者の日常的購買行動に定着したかを消費者行動から検証する独自リサーチ『商業施設利用実態調査2015』を実施しました。ここでは、2015年から調査を開始した新しい商業施設について、調査結果の速報をご報告します。

2015年から調査を開始した新しい商業施設『プラチナ ドン・キホーテ白金台店』は、2015年6月の調査実施時点では、開業後半月が経過したばかりでした。詳しくはレポート「商業施設利用実態調査2015【プラチナ ドン・キホーテ白金台店速報編】」に掲載しましたが、ここでは調査結果の概要をご紹介します。

「ドン・キホーテの新業態である初の高級業態」ということでメディアにとりあげられたこともあり、1都3県での認知度は14.3%と、決して低くはない数値を獲得しています。認知度に都県別の差はなく、まんべんなく認知されている点も特徴的です。

一方で、利用経験者は6人しか出現しませんでした。開業後半月ということで仕方がない面もあるかもしれませんが、来年も分析に足りるサンプル数はとれないと思われるため、今後の調査からは『プラチナ ドン・キホーテ白金台店』は外す予定です。

今年の調査結果につきましては、サンプル数僅少につき、参考程度にご覧いただければと思います。

「出店戦略ブログ」でも詳しく解説しましたが(記事はこちら)、この場所は、徒歩客の来店を期待するのが難しい立地であり、駐車場も4台しかなく車での来店も期待できないため、今後利用経験率を大きく上げることは難しいと考えられます。商業施設自体の認知が高まっても売上につながらない出店のケースといえるでしょう。

以上です。ご自身の印象と比べて、いかがでしたか?

これまでの大型商業施設は、施設の規模を大型化し、そのテナントミックスにより魅力を高めれば顧客を遠方からでも集めることができるという考え方に基づき、立地を主体的に創造してきました。

しかし、この首都圏の大型商業施設の利用実態調査を見ると、限られた領域に複数の大型商業施設の開発が進めば、単に施設の規模が大きく、希少性のあるテナントがあるという理由だけで、広域からの集客、更には、顧客の常連化が達成できるとは限らないということが考察できます。

また、開業前はもちろんですが、開業後も新たな情報を継続的に発信していくことが、施設そのものの認知度を維持・向上するために必要であることが考察できます。消費者は記憶した事柄を容易に忘却するものであり、何の刺激もなければ認知度は低下します。周囲に新たな商業施設が次々と開業すれば猶更です。

商業施設利用実態調査2015【プラチナ ドン・キホーテ白金台店速報編】では、より詳細なデータをご利用いただけます。福徳社ストアにて販売を開始しました。