消費者が「定着している」商業施設に分類された『キラリナ京王吉祥寺』~その理由と背景を消費者行動データから読み解く~

福徳社では、開業時に話題性の高かった首都圏大型商業施設につき、開業後1年以上を経過した現時点でどの程度消費者の日常的購買行動に定着したかを消費者行動から検証する独自リサーチ『商業施設利用実態調査2015』を実施しました。その結果の概要をお知らせします。

『キラリナ京王吉祥寺』は、本リサーチの分析結果では、『マークイズみなとみらい(MARK IS みなとみらい)』『渋谷ヒカリエ』とともに【消費者が「定着している」商業施設】グループに分類されました。リーセンシーとフリークエンシーがともに高く、定着した顧客の比率も3割以上と高いためです。

レポート「商業施設利用実態調査2015【キラリナ京王吉祥寺編】」では、リサーチ結果データの表やグラフとともに詳しく解説していますが、ここでは概要をご紹介します。

リサーチ結果(サマリー)
  • 『キラリナ京王吉祥寺』は、定着率が35.7%と調査対象施設中最も高く、フリークエンシーが高く、新しい商業施設であるにも関わらずリピート経験者が極めて高いという結果でした。既に消費者の日常的な買い物の場として定着した商業施設といえるでしょう。
  • 認知度と利用経験率は1都3県では一桁台と最も低かったものの、東京都だけを見れば24.1%の認知度と16.4%の利用経験率があります。吉祥寺駅に直結という立地からすれば、都外の消費者があまり知らない・訪れないのも無理からぬところでしょう。
  • 吉祥寺駅はJR中央線と京王井の頭線が乗り入れており、そこを定期的に通過する人が優良顧客となっていることが考えられますが、関東の住みたい街ランキングで常に上位に選ばれる街の中心に位置していることを考慮すると、量的にはまだ伸びる余地があると考えられます。
リサーチ結果(詳細)

1.認知度

『キラリナ京王吉祥寺』を「知っている」と答えた人の割合は、全回答者(1都3県に住む男女合計)の8.7%にとどまり、調査対象施設中最も低い結果となりました。

  • 都県別に見ると、東京都での認知度は24.1%にのぼり、高かった。神奈川県、埼玉県、千葉県では認知度が低い。
  • 性別・性年齢別で認知度に有意な差はなかった。

前回調査(2014年6月)時における『キラリナ京王吉祥寺』の認知度との有意差はありませんでした。他の話題性の高かった商業施設と比べて、開業時においても、あまり大きなメディア露出がなかったのかもしれません。

  • 埼玉県では忘却が進んだ。商圏外では忘れられやすい傾向がある。
  • 男女別では、女性の間で忘却傾向がみられる。
  • 性年齢別では、10~20代の若い女性の間で忘却傾向がみられる。

2.利用経験率

『キラリナ京王吉祥寺』を「利用したことがある」と答えた人の割合は、全回答者(1都3県に住む男女合計)の5.7%にとどまり、調査対象施設中最も低い結果となりました。

  • 都県別の差を見ると、東京都での利用経験率は16.4%にのぼり高い。千葉県・埼玉県では利用経験率が低い。
  • 男女別・性年齢別では、利用経験率に有意差はなかった。老若男女の幅広い客層に利用されているといえる。
  • 『キラリナ京王吉祥寺』利用経験者プロフィールの特徴をみると、男女別、年齢別、職業別、婚姻の有無では全回答者との有意差はなかった。老若男女幅広く来客しているといえる。居住都県では、東京都からの来客が67.9%と圧倒的に多い。千葉県からの来客は少ない。

前回調査時(2014年6月)の『キラリナ京王吉祥寺』利用経験率と今年の結果を比べると、利用経験率が全体として1.8%伸びました。男女別では、男性の利用経験率が3.3%伸びています。性年齢別では、30代~60代男性の利用経験率が伸びました。顧客のすそ野が、若い女性だけでなく、男性にも広がっている様子が読み取れます。

3.利用経験者の利用状況

『キラリナ京王吉祥寺』は、フリークエンシーと定着率が高く、まだ新しい商業施設であるにも関わらず、利用経験者のリピート率が非常に高い点が特徴的です。「消費者の日常的な買い物の場として定着した」商業施設であるといえるでしょう。

  • 『キラリナ京王吉祥寺』利用経験者の57.1%が「開業直後に行った」と答えている。
  • 開業直後利用者の62.5%が、その後再び訪れている。
  • リピーター比率は71.4% である。3回以上利用した人が半数に上る。1回利用したきりの人は28.6%にとどまる。
  • 平均利用回数は3.04回で、調査対象11施設の平均よりも高い。
  • 定着率は35.7%で、調査対象11施設中最も高い。
  • リーセンシー平均が6.4ヶ月と短いが、開業後の経過時間が調査対象施設中最も短いことに注意すべきである。
  • 利用経験者の今後利用意向では、今後利用意向の低い人の比率が96.4%にのぼり、調査商業対象11施設との比較において、相対的に高い。

4.他の商業施設との併用状況

商業施設利用実態調査2015【キラリナ京王吉祥寺編】では、『キラリナ京王吉祥寺』利用経験者のうち、他の調査対象商業施設の利用経験があると答えた人の割合(併用率)詳細に示しています。これを見ると、『キラリナ京王吉祥寺』ユーザーの地理的分布や買物行動範囲が想像できます。

  • 『キラリナ京王吉祥寺』利用経験者のうち、他の調査対象施設の利用経験があると答えた人の割合を集計したところ、京王井の頭線でつながる『渋谷ヒカリエ』の併用者が6割に上った。
  • 中央線でつながる新宿駅に隣接数る『ビックロの併用者も5割にのぼる。
  • その他、全体的に電車で行きやすい商業施設の併用率が高めである。
  • 今回の調査対象施設以外でよく利用する商業施設を自由回答で尋ねたところ、3名が『アトレ吉祥寺』を挙げた。
  • 他の調査対象施設利用経験者にたずねると、『キラリナ京王吉祥寺』の併用率が最も高かったのは、中央線でつながる『イケア立川』利用経験者であった。

以上です。ご自身の印象と比べて、いかがでしたか?

これまでの大型商業施設は、施設の規模を大型化し、そのテナントミックスにより魅力を高めれば顧客を遠方からでも集めることができるという考え方に基づき、立地を主体的に創造してきました。

しかし、この首都圏の大型商業施設の利用実態調査を見ると、限られた領域に複数の大型商業施設の開発が進めば、単に施設の規模が大きく、希少性のあるテナントがあるという理由だけで、広域からの集客、更には、顧客の常連化が達成できるとは限らないということが考察できます。

また、開業前はもちろんですが、開業後も新たな情報を継続的に発信していくことが、施設そのものの認知度を維持・向上するために必要であることが考察できます。消費者は記憶した事柄を容易に忘却するものであり、何の刺激もなければ認知度は低下します。周囲に新たな商業施設が次々と開業すれば猶更です。

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