前回の続きです。市場規模や売場面積の次に新たな要因を加味するとき、重要なことは、市場規模や売り場面積に関連していそうな要因を含めてはいけないということでした。

新たな要因を考える際に、「視認性」のように、人によって評価が異なる可能性の高いものは避けるべきです。また、他によく出てくるのは店前の「歩行者通行量・道路交通量」ですが、これらも全店舗を同時に計測するとなると費用がかかってしまうため、なるべくなら使いたくない要因です。

他に注意すべきこととしては、自社の物件構造に関することがらはなるべく後にして、店舗の周辺環境に関するものをまずは考えるということです。新規の物件の売上予測を説明する際には“なぜそうなるか?”の説明が重要になってきます。簡単に入手出来て、売上に関連していることが多いため、「売場面積」を含めるべきことについてすでに触れましたが、これも自社の物件構造に関することがらですので、本来ならば後の方で触れるべきものです。

売上予測はただ数字をズバリいくらと予測するのではなく、なぜそうなるか?という説明の“流れ”が必要です。こうした流れがあると、新規物件について、好意的に評価できる点と、ネガティブに考えるべき点が明らかになりますし、複数の物件があり、どちらか一方を選択しなければならないような場合に比較がしやすくなるものです。

市場規模から入って、→ 最大でどの程度の売上が期待できる市場であるかを説明し、→ それを基準にして、物件の周辺環境が自社にとって良い要因を含んでいるかどうかを考慮して金額を調整し、→ その後、物件の立地や建物構造にどのような機会点と問題点があるかを加味して、→ さらに調整する、という順序による説明は、聴く側にとってもすんなり頭に入るものです。

さて、誰が見ても明らかで、誰が数えても同じ数字になり、調べるの卒業問題に費用がかからず、しかも売上に影響する要因を考えるとき、面積や人口などのように数字で把握することが難しい要因が出てくることがあります。

例えば、同じフロアや近くに〇〇があると売れる(売れない)などです。

そのような要因についてどう考えるか?を、次回のブログではお話しします。