この「日本撤退ストアブランドの敗因分析」シリーズでは、日本にかつて進出したものの、撤退したストア・ブランドについて考えてみたいと思います。

最初に取り上げるストア・ブランドは、“PHO24(フォー・トゥエンティーフォー)”という外食産業の海外ブランドです。2011年7月に日本一号店をオープンしたものの、2013年春には既に日本市場から撤退しています(閉店を伝える記事はこちら)。

さて、海外の外食チェーンが撤退したというと、マーケティング関係者の多くが、その理由を、商品、価格、ターゲットが云々等に求めます。

検索すると、やはりそのような分析記事がありました→「1年でたった3店“苦戦”フォーPHO24、浮上のカギは男?~運営元のセブン&アイ、女性狙いも目論み外れか~」。読んでみると、内容も、やはりそうか、という程度ですが、PHO24の日本での状況に関する貴重な情報源のため、この記事をありがたく参照させていただきながら、当ブログでは“店舗展開”の視点から、撤退に至った理由を考えてみたいと思います。

ところで、この「PHO24」というブランドをご存知ですか?

恐らく9割方の方はご存じないように思われます。この時点で既に、日本市場に定着するという意味での成功の確率はほぼゼロと言って良いでしょう。

日本市場に参入する前の海外ブランドが日本で成功するかを判断する際の、判断材料は何か?

これは簡単な話なのですが、海外の店舗で既に日本人の顧客がついているかどうか、あるいは、日本国内で参入前から特定の消費者の間で認知されているかどうか、既にファンがいるどうか、です。

単純に日本初出店だからといって、日本市場に定着するという保証はまったくないのです。参入前からそのブランドに対する“待望感”、“飢餓感”のようなものを醸成する努力が必要といえます。続きは明日のブログで。