昨日まで連載したセブンイレブン全国制覇に関連して、“全国制覇”についてのお話です。
同時期に、「コメダ珈琲が全国制覇」というニュースがありました。> 「セブンより高い成長力、「コメダ珈琲」が狙う次の市場はパン(日刊工業新聞ニュースイッチ)」
私は20年以上前からコメダ珈琲のファンですが、このニュースの個人的な読後感は“もったいないなあ”というものでした。
ご存知のように、セブンイレブンの沖縄県1号店には多くの人が殺到し、全国向けのニュースでも採りあげられました。この点も未出店エリアに多店舗化する際の手本とすべき事例だと思います。
未出店エリアへの出店では、そこでの一号店は爆発的に売ることを目指すべきです。できるだけ広域から集客し、予測売上のはるかに上を行く売上を叩き出すくらいでなければなりません。
新たに獲得したエリア内でのニュートライヤーが、そのエリア内で追加出店した店舗の将来的な顧客になると考えるのです。
そのためには、未出店エリアへの展開は、ある種のエネルギーを貯めたのちに行うべきであり、あまり急ぎすぎると爆発力は低下します。
また、出店にあたってのトピックや会社としての話題性が乏しい年などに未出店地域への進出を組み込むなど、計画的に行う必要があります。
記事によれば、
コメダ珈琲店を中心に15年の683店舗から、19年6月末時点で867店舗に急拡大中のコメダHD。20年2月期中に910店舗を計画しており、1000店舗の大台も迫る。
とのことですが、この段階での全国制覇は個人的には“まだ早かった”という印象です。
そういえば、今年はまだ涼しくてピンと来ませんが、花火大会シーズンに入りました。未出店地域一号店は打ち上げ花火の「仕掛け花火」のようなものです。
大勢を集客して爆発的に売るだけでなく、企業としての話題性を提供し、ニュースとなるような絶妙なタイミングで打ち上げることが求められます。
以上、全国的な知名度も上がる中、大きく打ち上げられたであろう花火を、何となく中途半端に、早くも打ち尽くしてしまった『コメダ珈琲』、というお話でした。