前回の記事後に報道された「セブンイレブンが沖縄県に初出店」のニュースは大きな話題になりました。お影様で、当ブログへのアクセスも一瞬急増しました。

さて、このニュースは、沖縄県1号店に多くの人が殺到したことに注意が行きがちですが、
● セブンイレブンが14店を一気に同時期にオープンしたこと、
● 店舗が那覇市周辺(大雑把にいえば県南部)に集まっていること、
● その後、県内を北上するように出店領域を徐々に拡大すること、
などの点で、ある未出店エリアに多店舗化する際の手本とすべき事例だと思われます。

これから観光シーズンを迎える7月というタイミングも絶妙な気がします。

また、出店可能な場所を既に持っている、不動産情報をいち早く得やすい事業を行っている地元企業とフランチャイズ契約をしていることも、セブンイレブンの急速な拡大が可能な要因と考えられます。

その辺りを指摘する論調をほとんど見かけませんので、ここで補足させていただきました。

補足ついでにもう一点。

コンビニエンスストア市場は飽和状態と言われています。確かに今後、店舗数が増えてコンビニエンスストア全体の売上も増えるということはないのでしょう。では何が起こるか?

それは、一定量の売上の企業間の“食い合い”です。

今後、生活圏内にセブンイレブンの店舗が増えるにつれて、これまでのコンビニ利用者の内面には、立地の利便性への期待が高まることが予想されます。

店舗が十分にないときは、それほど不便を感じることもなく利用していたけれど、自分にとって便利な場所に新たな店舗が出店したことで、それまで利用していた店が急に不便に感じたり、過去のものに感じたりしたことはありませんか?
ほとんどの消費者は“ここにコンビニがあったら良いな”ということは考えず、あるとき店舗が新しく開いて“そうそう、ここにあってほしかったんですよ”と気づくように思います。

先行する2社の店舗の位置を地図で確認した限りですが、要所にあると思われない店舗が目立つように思われます。そこへ、既存店周辺の要所要所に徐々にセブンイレブンが出店してくるわけです。この場合、先行2社の既存店は、1店舗が開いて直撃を食らうような大きなショックを受けるのではなく、2店、3店・・・と周囲を囲むように出店されることでジワジワ痛みを感じるようになることが予想されます。

これと同じような状況は沖縄県以外でも発生していると考えられます。飽和する市場では、2、3店で挟んで相手をつぶすような出店が求められ、それはセブンイレブンの“お家芸”のはずです。

先行2社も既存店強化に動くはずですが、強化するべき店舗を厳選できるか、リロケーションも含めて対策が講じられるかなど、今後も注目していきたいと思います。続きは明日のブログで。