【出店戦略の極意・第3回】コロナ禍で露呈した「受動的拡大」の脆さ。環境変化に負けない店舗網の再構築と次の一手

シリーズ最終回となる今回は、劇的な環境変化が店舗網に与える影響と、これからの時代を生き抜くための「再構築(スクラップ・アンド・ビルド)」について考えます。 「良い物件があったから」と安易に出店を続ける受動的拡大がいかに企業にとって致命傷になり得るか、未曾有の危機であった「コロナ禍」のデータがそれを如実に物語っています。

危機において露呈する「非効率な出店」の代償

2020年以降のコロナ禍は、小売・飲食業界に甚大なダメージを与えました。しかし、すべての企業が同じように業績を落としたわけではありません。回復の早さや生き残りの明暗を分けた決定的な要因の一つが、「それ以前にどのような出店戦略をとっていたか」でした。

最新の研究データを分析すると、明確な事実が浮かび上がってきます。 それは、平時に「受動的拡大(明確な戦略を持たず、物件ありきの出店)」を繰り返していた企業ほど、環境激変時のダメージが大きく、収益性を著しく悪化させたということです。

なぜでしょうか? 受動的拡大によって作られた店舗網は、元々「地域的なシナジー」や「物流・管理の効率性」が欠如しています。好景気の時はなんとか売上でカバーできていても、売上全体が底下がりした途端、バラバラに散らばった店舗の重い固定費や非効率な運営コストが、一気に経営の重荷として襲いかかってきたのです。 一方で、「地域集中」や「主体的拡大」という黄金ルートを歩み、強固なドミナント(高シェア商圏)を築いていた企業は、管理コストの低さや地域住民へのブランド浸透力を武器に、想定以上の粘り強さを発揮しました。

成長のための「戦略的撤退(店舗網の再構築)」

環境変化の激しいこれからの時代、多店舗展開企業にとって最も重要な経営課題は、ただ店舗数を増やすことではありません。「既存の店舗網全体の再構築」です。

過去に受動的な意思決定で出店してしまった店舗や、市場環境の変化によって役割を終えた店舗を客観的に評価し、勇気を持ってスクラップ(退店)する。そして、そこで浮いたリソースを、自社が本来強みを発揮できる有望な市場へと再投資(ビルド)する。 この新陳代謝を繰り返すことでしか、筋肉質で環境変化に強い店舗網は維持できません。

「せっかく出した店を閉めるのはもったいない」「現場のモチベーションが下がる」という感情論で不採算店を引きずるのは、企業全体の体力を奪う行為です。 退店や移転(リロケーション)は「負け」ではありません。より収益性の高い店舗網へと進化するための、極めて前向きな「次の一手」なのです。

実務と戦略を両輪で回す体制づくり

全3回にわたり、ミニボックス型リテーラーの出店戦略において考えるべき重要なポイントをお伝えしてきました。 貴社の店舗網の状況に照らして、考えるヒントになれば幸いです。


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