クイズで読む『リテールブランド浸透度調査2016』結果速報(5)

『パイフェイス』の認知度が高まらない理由

福徳社では、2016年6月に『リテールブランド浸透度調査』を実施しました。日本で展開しているリテーラー(外食、物販)の関東圏での認知度と利用経験者の割合(以下、利用経験)に関する調査で、レポートは近日発表予定です。そこで、このシリーズでは、分析がまとまるまでの間、結果速報を兼ねて、手元の集計データから読み取れることをクイズ形式で書き綴っています。

さて、今回の調査対象26ブランドのうち、認知度最下位の『パイフェイス』は、7月中旬の時点で3店舗となっています。

ラゾーナ川崎渋谷モディ舞浜イクスピアリの3施設に、施設の新規オープンではなく、既存のテナントに入れ替わる形で出店しています。

特定の商業施設内にしか店舗がないことのデメリットは、その施設に行った人しか認知・利用することができず、なかなか多くの消費者に存在を覚えてもらえないということが挙げられます。『コーヒービーン&ティーリーフ』は、その後の展開はさておき、日本橋交差点のオフィスビル一階の路面店からスタートしました。あるいは、『パイフェイス』にとって渋谷モディ店が路面店として機能することが期待されているのかもしれませんが、外観上そうなっているとは言い難い状況です。もうすこし外にロゴを目立たせることができなかったのか?と思うと残念でした。

また、3店舗の段階で3都道府県に開店しており、これもなかなか『パイフェイス』というブランドそのものの認知度が高まりにくい要因です。こうした展開方法は図1のように説明できます。顔のマークが『パイフェイス』の店舗だと思ってください。それそれの商業施設の利用客の一部が個々の『パイフェイス』』の店舗の顧客となり、それらに関連性はなく、それで終わってしまうことを示しています。日常的にラゾーナとイクスピアリの両方を利用する人がどれだけいるか?と考えると、ほとんどいないと思われます。

Pieface出店

では、『パイフェイス』そのものの認知度を高めるうえで、今後の追加出店の際にどのようなことを意識するべきなのでしょう?商業施設のテナント入れ替えの機会に単に応じるだけでは劇的に好転することは期待できません。

続きは結果速報⑥で。