ステップ1:参入前に話題性を高める

日本は不思議な国です。カジュアルブランドのH&MやForever 21が繁華街・一等地にビル?100円ショップのフライング タイガー コペンハーゲンに大行列?海外から来たパン屋が商業施設の一等地に?…

日本では、外国から入ってきたものには、それだけで特別なイメージが付与される場合があり、現地では何でもないものが大化けする可能性があります。現地ではごく身近なものを大化けさせ、日本市場で成功するためには、そのブランドに対するハイ・エンドなイメージ、飢餓感、待望する空気を、日本参入の前に、日本国内に醸成しておくことが不可欠です。

日本で成功するためには、一号店は、話題が全国に拡散しやすい大都市圏(東京)の一等地・路面に出店する必要があります。そのような立地は賃料が高く、本国の常識をはるかに上回る売上を獲得しなければ利益が出ないはずですから、客単価の低いブランドは特に、相当な数の客数を呼び込む必要があります。そのためにも、参入前の段階で、日本国内における話題性を高めておかなければなりません。

ステップ2:大手ディベロッパー・商業施設運営会社との関係を構築する

一等地・路面店舗で利益を出すのに十分な売上を獲得する実績を作ると、様々な商業施設へのテナントとしての出店の可能性が高まります。

日本の大手ディベロッパーや商業施設運営会社は、全国規模で商業施設を開発・運営し、また、日本全国に新規の開発案件、再開発案件を抱えています。現在の日本の商業集積のほとんどは、そのように開発されたものを中心に形成されているといっても過言ではありません。そのため、そうした企業との良好な関係を構築し、維持することが、全国展開を可能にし、かつ、そのスピードを速めることになります。逆に、そうした企業との関係を構築できない場合、全国展開は事実上困難となってしまいます。

ステップ3:店舗網拡大にあらかじめ備えておく

成功する企業は、全国展開の段階で急速に市場拡大が進む時期を経験します。そのようなステージでは、人材の採用・育成、投資資金の確保等が重要課題となり、労働市場や金融市場との関係構築の重要性が一層高まります。

また、このステージでは、新業態・ブランドを準備しておくことも、複数の立地を確保する、ディベロッパーにとっての“初物”ニーズに対応する、などの理由から必要となってきます。

このような準備には時間がかかるため、店舗網拡大のチャンスにおいてスピーディーに対応できるよう、あらかじめ備えておくべきでしょう。