クイズで読む『リテールブランド浸透度調査2016』結果速報(4)
『コーヒービーン&ティーリーフ』の認知度が高まらない理由
福徳社では、2016年6月に『リテールブランド浸透度調査』を実施しました。日本で展開しているリテーラー(外食、物販)の関東圏での認知度と利用経験者の割合(以下、利用経験)に関する調査で、レポートは近日発表予定です。そこで、このシリーズでは、分析がまとまるまでの間、結果速報を兼ねて、手元の集計データから読み取れることをクイズ形式で書き綴っています。
さて、クイズで読む『リテールブランド浸透度調査2016』結果速報(その3)の続きです。日本再上陸から3ヶ月の時点で認知度が13.2%だった『カールスジュニア』よりも店舗数が多く、展開後の時間もより長く経過しているのにも関わらず、『カールスジュニア』より認知度が低いブランドがあった、という話の続きです。
さて、下記の語群に挙げたリテールブランドのうち、認知度の最下位とブービー賞はどことどこでしょう?消去法である程度まではいけるかもしれません。
【語群】 『リテールブランド浸透度調査2016』調査対象ブランド(全26ブランド)
● マクドナルド ● モスバーガー ● フレッシュネスバーガー ● ロッテリア ● バーガーキング ● ファーストキッチン ● ウェンディーズ ● クア・アイナ ● シェイク シャック ● カールスジュニア ● スターバックス コーヒー ● タリーズコーヒー ● コメダ珈琲店 ● 上島珈琲店 ● サンマルクカフェ ● コーヒービーン&ティーリーフ ● ブルーボトルコーヒー ● クリスピー・クリーム・ドーナツ ● ギャレット ポップコーン ショップス ● コールド・ストーン・クリーマリー ● パイフェイス ● タコベル ● イケア ● フライング タイガー コペンハーゲン ● ラッシュ ● ロクシタン
正解は、
- 最下位が『パイフェイス』(2015年10月27日日本一号店開店)で10.2%、
- ブービー賞が『コーヒービーン&ティーリーフ』(2015年5月26日日本一号店開店)で13.4%でした。
共に認知度がなかなか高まらないのはなぜでしょう?まずは、『コーヒービーン&ティーリーフ』からです。
『コーヒービーン&ティーリーフ』は米国でもある程度は定評のあるブランドなので、認知が低いのは不思議な気がしますが、実は当ブログでも以前に心配するコメント(もったいない全国展開~コーヒービーン&ティーリーフ~)をさせていただきました。
一号店を日本橋一丁目に出店の後、都心での追加出店を十分に行う前にイオンモールを中心に広域展開を行い、7月上旬の時点で店舗数が12しかないにも関わらず、東京、埼玉、愛知、岐阜、大阪に展開をしています。
出店機会のある立地に易々と出店した結果と思われます(応援しているカールスジュニアにはこうしたことは何としてもやめてほしいものです)。
そのうち首都圏での店舗数は東京都が4、埼玉県が3しかありません。
首都圏での認知度が13.4%のブランドが地方都市に出店したとしても、開業後に十分な売上を得ることは困難であるはずです。都心に新たに開けた南青山店も知名度を急激に上げるには力不足で、物件構造を考えても非常に心配になる店舗でした。(この点については、近いうちに、“2階席数/1階席数の比率が大きくなることの恐怖”というタイトルでお話しさせていただきます)
コーヒー業界の新たな選択肢となるように期待したいところですが、収益面で非常に苦しい状態であることが予想されます。
不勉強で驚いたことに、『コーヒービーン&ティーリーフ』は株式会社ホットランドが経営していたのですね。有名な“築地銀だこ”を展開している会社です(ホットランドが運営するブランド一覧はこちら)。
これ以上のコメントはここでは控えますが、“築地銀だこ”の横で、『コールド・ストーン・クリーマリー』のアイスのように、『コーヒービーン&ティーリーフ』のコーヒーが売られるようになる日は近いのかもしれません。
ちなみに、『コールド・ストーン・クリーマリー』の1都3県での認知度は、31.3%でした。
【結果速報⑤】では、最下位だった『パイフェイス』の認知が高まらない理由を解説します。