前回の続きです。昨年6月に開業したばかりの大型SC『イーアス高尾』テナントを「SCLC」(商業施設ライフサイクル論)の観点で捉える試みをしてみましたが、ここで“中締め”をしたいと思います。

多店舗化の際には、ただ利益のとれる場所に出店するだけでなく、ブランドの認知度を上げ、想定するイメージを維持することも求められます。価格帯が高く、高級なイメージになればなるほど、相応しい条件を満たす出店候補地は少なくなること、そして、相応しい条件を満たさない出店候補地に出店した場合、その店舗の売上が伸びない以外の弊害もあることを確認しておく必要があると思われます。

先発で早々とマウンドを降りた両社については、商品に問題があったと考えるのではなく、施設の利用客によく知れ渡っていなかった、あるいは、“そこでは”期待されていない存在だった、と考えるべきなのでしょう。

消費者に持たせたい自社のイメージと出店数、出店すべき自治体、区画の特徴等は別々に考えるのではなく、一つのまとまりとして考えながら多店舗化の最終型を描くことが、本格的に多店舗化する前に必要なのですが、そうは言っても、これはなかなか難しいものです。

弊社セミナー「『店舗開発という仕事』上級編」では“High-endな自治体ランキング”というツールを使ってこのあたりも解説させていただきます。次回は来週、3月17日(土)に開催いたしますので、ぜひご参加ください。