5月24日の繊研新聞には、三菱地所・サイモン運営のアウトレットモール10施設の2023年度売上高が報じられています。『御殿場プレミアム・アウトレットモール』が、初の1000億円超えの1240億円となりトップでした。
テナント企業が出店を検討する場合、気になるのは10施設の売場面積と売上の関係です。
売場面積が大きいなら施設売上は高くなり、テナント企業も高めの売上が期待できる、と考えるのが普通です。実際はどうか? 『全国大型小売店舗総覧』2023年版(東洋経済)にある売場面積と売上の関係を調べ、横軸を売場面積(㎡)、縦軸を売上(億円)と散布図を作成すると以下のようになりました。注:仙台泉はアウトレット部分のみの面積を用いています。
売場面積が大きくなると、売上も高くなる傾向が読み取れます。相関係数も0.895と売場面積と売上の関連性は非常に高いといえます。
しかし、散布図をよく見ると、30,000㎡を超えると、施設面積は同じ程度であっても施設間で売上に開きがあることが分かります。
例えば、『鳥栖』と『あみ』は、売場面積30,000㎡前後で似通っていますが、売上は『鳥栖』が『あみ』の約2倍となっています。
売上には、売場面積だけでなく、想定される商圏内に市場規模の大きい都市が含まれているか否か、競合すると考えられるアウトレットモールが存在するか否か、などが影響していると考えらます。
施設の売場面積が大きいというだけでなく、施設の特徴を加味し、場合によっては売上予測を控えめに考えることも必要となる、ということが教訓になると思われます。
以上、ご参考まで。