小型船舶操縦士免許取得のススメ【5】スピードを上げて真っ直ぐ進む必要性

前回の続きです。さて、他の船やヨットに当てないようにして港を出ました。その先も怖いことがあります。

海は海でも陸に近い辺りは浅瀬であることが多く、水面を見ているだけでは分からない岩礁があり、闇雲に操縦すると船底がそれに当たってしまいかねません。ですから地図ではなく港付近の海図で危険地帯をしっかり確認します。港の入口付近には2つのブイが浮いていて、それはその間を通れということです。その間は十分な深さがあり安全だということです。その他、ノリの養殖や漁師の仕掛けなども要注意の施設です。

さて、そうしたものを超えて沖に出ました。

しかしホッとしている暇はありません。沖は海面がうねっていることが多く、ゆっくり操縦しているとどこに流されるか分からないのです。確実に目的地の港や釣り場に着くにはどうするべきか?船から目的地は目で確認することはできません。

そこで必要になってくるのは航路計画です。航路計画とは、船で確実に目的地に着くために必要なものです。要は、最終的な目的地に一直線で行くことができないので、途中途中で確実にたどり着ける目的地を海上に作り、そこを辿って最終的な目的地に着くための最短に近い進路を定めることです。最短に近くするのは燃料の都合です。

自動車の感覚でとりあえず進んでみても、これがなかなかうまくいかないのです。真っすぐ進んでいるつもりがどんどん陸から遠ざかっていったり、旋回してしまったりするのです。

そこでどうするかというと、陸上の動かない何かを目標を定めて、そこに向かって真っ直ぐ進むために“速度を一気に上げる”のです。

実技試験では、例えば左前方の島に向かって方向転換するように指示があり、それに対して左90度の方向に進むことを宣言し、実際に方向を変えて進むことができなければなりません。

動かなくて目立つものを次々に探し、方位磁針や角度を知るための計器を用いて方向を変え、速度を上げて前進することを繰り返し最終目的地に近づいていくのです。

流れのある海上を進んで最終目的地に行くには、途中にいくつかの目標を定め、そうと決めたらそれに向かって“スピードを上げる”必要があるということです。

これもまた多店舗化と共通する点があるように思われます。これはよく調べる必要がありますが、全国に数百店の規模で展開している企業は出店ペースを加速させる時期を幾度か経ているように思います。

同じ速度で道なりに行けば目的地に着くという“陸上の発想”では目的地にまず着かないであろう、というのが海上です。

以上、出店する場所は陸上であるものの、そこでは“海上の発想”が必要であるというお話でした。(了)