Yahoo!ニュース掲載記事「なんでんかんでん」6年ぶり復活 2度目の“しくじり”避けられるか」によれば、ラーメン店『なんでんかんでん』が6年ぶりに復活するそうです。

『なんでんかんでん』がかつてブームだったころに比べると、それに影響を受けた人も含めて、無数のラーメン店が出店しました。今度、出店される高円寺駅周辺のみならず、全国的にもラーメン激戦区は増えました。

記事によれば、「川原氏といえども知名度だけで生き残れるかは不透明」だそうです。また、川原氏によれば「店の味がおいしいとか、場所がいいとかで儲かる時代は終わった。現実はどの店も厳しい」のだそうです。
記事は、「2度目のしくじりは許されない川原氏の生き残りを懸けた勝負が再び始まる。」と結んでいます。

こうしたかつての成功者の“復活劇”や、“新たな一歩”を伝える報道をたまに見聞きします。それらはなんとなく無難で、無責任なコメントで結ばれていることが多いように思います。

それはさておき、この記事で驚いたのは、1店だけ出店するだけかと思いきやそれだけではなく、自社のスープ工場ができていて、全国にフランチャイズ展開も行うということです。恐らく同店で修行を積んだ人が自分の店を出していくのでしょう。

かつての『なんでんかんでん』のような成功事例があると、川原氏のもとで自分もがんばれば、耐えれば、自分の店を持って川原氏のように成功できる、と思う方は多いのかもしれません。関連性が十分あるとは言い難い業種から多角化で飲食市場に参入することになった、というケースも珍しくありません。

しかし、中小企業庁の『2017年版小規模企業白書』によれば、“開業率・廃業率共に平均を超え、事業所の入れ替わりが盛んであるのが、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業である”とあります。

要は、ラーメン店を含む飲食サービス業は、開業する人も多い反面、廃業する人も多いということです。

身の回りで目にすることができる、利用することができる店は、現状営業している店です。儲かっているかどうかは店によって異なるでしょうが、周囲にあるのは、普通の人にとっては経営が成り立っているように見える店ばかりです。そればかりを見ている人は、割と簡単に飲食業はできるのではないか、と考えてしまうのかもしれません。

フランチャイジーになるにあたっては、ラーメンを美味しく作れるのは当たり前であり、店を長いこともたせる、つまり、店が利益を出し続けるためににはラーメンを作る以外にも必要な知識があります。事前に勉強すべきことがあります。

大きな書店に行くと、ビジネスコーナーに“カフェや〇〇屋を開業しようと考えている人向けの書籍”が並んでいます。それらの多くは、メニューや設備、内装などの店内環境のことに多くのページ数を割いており、読む人の多くは、周辺環境から店だけを切り取って考え、店の中からの視点で考えるべきことに準備の努力の大半を費やしてしまうように思われます。

そこでの話は、開店すれば客が来ることが前提となっているように思われます。こんな雰囲気の良いカフェがあったら素敵でしょう、と思わせる写真に客は写っていません。

しかし、現実は店舗がどのような場所にあるかによって、客数・客層は変わってくるものです。どんなに雰囲気の良いカフェでも、周辺環境や近接するものいかんでは、どんなに頑張っても集客し続けることは困難です。客層と街のイメージは合うものの、同じ考えの人が周辺に既に出店済みということもありえます。

立地選びについては、「賃料が高いのでもう少し安い所で」とか、「来年の秋には開業したいので夏前に契約できる所で」などと考えがちですが、それは“家”を借りるときの考え方で、店舗を経営する感覚はそれとは異なります。

弊社の「店舗開発という仕事」セミナー入門編は、将来、独立して店舗を開業することをお考えの方にも役立つ内容となっております。開業準備の中で十分に説明されているといは言い難い“場所選び”の考え方や具体的な方法を知りたい方、『なんでんかんでん』のフランチャイジーになることを検討されている方、お越しをお待ちしております。