『いきなり!ステーキ』を展開するペッパーフードサービスが上場以来、初の赤字に転落したそうです。

以前『ペッパーランチ』の出店でお世話になったことのある会社でしたので、ここで書くのは差し控えていたのですが、もう10年以上も前の話ですし、また、『いきなり!ステーキ』は『ペッパーランチ』と同じような失敗をしてくれたため、出店の観点から言えることを、後の教訓のためにも書き残しておきたいと思います。

愛読する「TSR情報」11月18日号によれば、「『いきなり!ステーキ』の店舗同士が競合したほか、店舗撤退などの事業構造改革による特別損失が響いた」そうです。

“店舗同士の競合”は「カニバリ(カニバリゼーション、自社競合)」というのですが、これは市場の大きさに対して店舗を“出しすぎる”という、チェーン店の多店舗化においてやってはならないことをしなければ、そうそう起こるものではありません。
それでも自社競合が発生するということは、恐らく市場規模と店舗数のバランスをよく考えずに、目の前に草が生えているところがあると分かると馬や羊が移動していくように、出店機会があると出店する、いわゆる“ホイホイ出店”をしていたことが想像されます。そのあたりを探ってみたいと思います。

チェーン店多店舗化の考え方はシンプルで、“人口20万人の街に1店出店するなら、人口100万人の街には10店あってもおかしくはない”ということです。どのような結果になるか分かりませんが、弊社なりに『いきなりステーキ』の出店に切り込んでみたいと思います。

手始めに、いきなりステーキの北海道の店舗数はいくつか?
答えは、「15店」です。

では、北海道の人口は?
ここでは平成29年の推計人口を用いますが、「5,320,000人」で、全人口の4.2%を占めます。

では、この全人口の4.2%に対して15店舗を基準にすると、では青森県には何店あるべきか?
青森県の人口比率は「1.0%」です。
ということは、北海道を基準にすると、青森県には「1.0÷4.2×15=3.6店」があってしかり、と計算されます。

それに対して青森県の店舗数はすでに「5店舗」あります。これは人口(市場規模)に対して店舗数が多いことを意味します。カニバリが起きてもおかしくはありません。

このような方法で全都道府県の『いきなりステーキ』出店状況を眺めてみるとどのようなことが分かるか?については、次回のブログでお話させていただきます。