かつて東京の立川駅周辺に3店舗を開業したころには、『ロクシタン』はこのご時世に強気でいられるテナント企業の代表例だと感じましたが、聞くところによると、このところ経営陣が変わり、テレビCMも打つようになり…。
そういう目で見ると、月商5000万円級と聞いていた店舗の前を通っても繁盛感が感じられないことが珍しくなくなりました。
筆者は個人的には化粧品はあまり詳しくないのですが、あるコスメ業界関係者の話で、「店舗数が“ある数”に近づくとよろしくないことが起こる」というものを思い出しました。要は、全社売上が下がるのだそうです。
この件、興味深い内容なのでしばらく考えてみたいと思います。
日本は不思議な国で、海外からやってくると、たかだか百円ショップが百貨店やショッピングモール等に出店し、なんとなくハイソなイメージを形成することがあります。
このイメージについては、あまり調子に乗ると良くないことが起きてしまうように思います。
新規出店は、個々の物件の収益性と周辺店舗へのインパクトを考慮して、局地的に適切であれば出店するということが多いのですが、それだけで判断してしまうと、そのブランドの「イメージ・価格帯」「総店舗数」「展開する地域・エリア」の3者の組み合わせに支障が生じます。
化粧品ブランドの出店の場合、それらの組み合わせのバランスにつき、より慎重にならなければならないように思います。
私自身は、幸いなことに、売れていて勢いがある状態の会社に社員として身を置いた経験があります。
ある企業が売れていて勢いがあるときというのは、「イメージ・価格帯」「総店舗数」「展開する地域・エリア」のバランスが良く、小さい問題が生じたとしても好業績に覆い隠されます。
ここでいう“小さい問題”とは一部の新店の不振や一部の既存店の売上低下が含まれます。
しかし、勢いに任せていると、時間が経つにつれてこれらのバランスが崩れてしまい、こうした“小さな問題”の数が増え、目立つようになってくるのです。
こうなると勢いは急に止まり、社内の雰囲気も湿りがちになります。
次回は『ロクシタン』の出店状況を確認してみましょう。続きは次回のブログで。