過去問を解くように言われると、一度出題された問題が出題されるはずがないだろうし、意味があるのか?、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
出題者は“過去に出題された問題”を参照するものです。
試験委員としては、あまりにも傾向の異なる問題を出題するのは勇気がいるものですし、試験に向けて準備してくる受験生にも酷です。宅建試験は行政機関の方が中心となり作成されているようです。(試験委員の名簿はこちら[http://www.retio.or.jp/exam/pdf/exam_com.pdf]で公開されています。)よって、前例に倣えという考え方で問題を作成する可能性が高いと考えられます。従って、勉強するうえで“過去に出題された問題”を解くことは有意義なことなのです。
今後、新しい内容を勉強したら、すぐに関連する過去問を解くことを心がけましょう。試験が近づくにつれて、問題を繰り返し解いて解答の意味を確認する時間の方が長くなるようになれば、合格は近づきます。
それでは、<平成18年度第25問>です。
農地法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 山林を開墾し現に水田として耕作している土地であっても、土地登記簿上の地目が山林である限り、法(農地法)の適用を受ける農地には当たらない。
- 農業者が、住宅を建設するために法第4条第1項の許可を受けた農地をその後住宅建設の工事着工前に宅地として売却する場合、改めて法第5条第1項の許可を受ける必要はない。
- 耕作目的で農地の売買契約を締結し、代金の支払いをした場合でも、法(農地法)第3条第1項の許可を受けていなければその所有権の移転の効力は生じない。
- 農業者が、自ら農業用倉庫として使用する目的で自己の所有する農地を転用する場合には、転用する農地の規模にかかわらず、法第4条第1項の許可を受ける必要がある。
正しいものはどれか、という問題なので、このうち3つはどこかが誤っていることになります。その誤っている箇所が指摘できれば、その選択肢は答えでないことが分かります。勉強することの目的の一つには、問題の選択肢の“誤りの箇所を自信を持って指摘できるようになる”ことが挙げられます。
1. は、“現況が農地→農地に当たる”なので誤りです。
2. は、第4条許可なので農地の転用があるが、所有者は変わらなかったが、その後、宅地として売却され所有者も変わったケースなので、転用・権利移転の両方が発生するので改めて第5条許可を受ける必要があります。よって、誤りです。
3. は表現方法に戸惑いを感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、耕作目的で農地を売買する契約を結んだとしても、第3条許可を受けないうちはその効力が生じないということですから、これは正解です。
念のため4. を見ると、自ら農地を転用するため第4条許可が必要ということで正解のように読めます。4. のように、“~に関わらず、~が必要である”という例外が無いような文言は、誤りがないか疑ってかかるべきでしょう。
これは、問題を解きつつ知識を増やしていただければ良いのですが、第4条許可が不要な場合があります。覚える必要はありません。
(農地の転用の制限の例外)
第三十二条 法第四条第一項第八号の農林水産省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 耕作の事業を行う者がその農地をその者の耕作の事業に供する他の農地の保全若しくは利用の増進のため又はその農地(二アール未満のものに限る。)をその者の農作物の育成若しくは養畜の事業のための農業用施設に供する場合
1と2. が誤りとわかり、3. と4. で迷ったぐらいまで行けば、現時点ではよしとしましょう。
3. と正解できた方は、おめでとうございます。