「店舗開発の担当になりました。まず何を勉強すればいいですか?」 「おすすめの参考書はありますか?」

これらは、私がセミナーや研修で最もよく聞かれる質問の一つです。 しかし、残念ながら店舗開発のすべてが体系的にまとまった教科書は、世の中にほとんど存在しません。大学にも学部はなく、専門学校もありません

では、プロフェッショナルたちはどうやってスキルを身につけているのでしょうか? 今回は、闇雲に勉強するのではなく、「実務で成果を出すため」に特化した5つの必須スキルと、その効率的な習得アプローチについて解説します。


1. なぜ「店舗開発」の勉強は難しいのか?

書店に行けば「宅建(不動産取引)」「マーケティング」「統計学」の本は山ほどあります。しかし、それらを片っ端から読んでも、翌日から「売れる店」が作れるようにはなりません。

なぜなら、店舗開発の実務は「総合格闘技」だからです。 不動産知識だけあってもダメ、計算ができるだけでもダメ。それらを複合的に組み合わせて、「この場所に店を出せば勝てる」という結論を導き出す応用力が求められるのです。

2. 実務で絶対に外せない「5つの必須スキル」

業務フロー(物件収集→評価→契約→戦略)に沿って考えると、学ぶべき分野は自然と絞られてきます。

① 【地理・土地勘】住所を見ただけで街が浮かぶか?

物件情報(住所)をもらった瞬間に、「あ、あの交差点の近くだな」「あそこは昼間は人が多いけど夜は暗いな」と、頭の中でGoogleマップが展開できるレベルの「土地勘」が必要です。これは机の上ではなく、街を歩くことで養われます。

② 【業界慣習】情報の「上流」を知る

良い物件情報は、待っていても来ません。不動産業界の仕組みや情報の流れ(誰が情報を持っているのか)を理解し、能動的に情報を狩りに行く「情報収集スキル」が求められます。

③ 【データ分析・統計】「なんとなく」を数値化する

「駅前だから売れる」では説得力がありません。「重回帰分析」などの統計手法を使い、立地のポテンシャルを「売上予測」として数値化するスキルです。エクセルや統計の基礎知識が不可欠です。

④ 【契約・法務・店舗運営】開店から撤退までを見通す

単に契約書が読めるだけでなく、「店を開けてから、万が一撤退するまで」の一連の流れ(ライフサイクル)を理解していることが重要です。ここが分かっていないと、不利な条件で契約を結んでしまい、後で会社に損害を与えることになります。

⑤ 【経営戦略】「なぜそこなのか?」を語る力

これが最も重要です。「なぜA地点ではなくB地点なのか?」を、会社の経営計画やエリア戦略に基づいて論理的に説明する力(プレゼン力)です。

3. 最短でプロになるための「勉強法」

教科書がない以上、自分で学ぶしかありません。おすすめのアプローチは2つです。

アプローチA:実学(街に出る)

とにかく現場を見ることです。「なぜこの店はここにあり、繁盛しているのか?」を自分の目で観察し、仮説を立てる。これが最強のトレーニングです。

アプローチB:座学(必要な部分だけつまみ食い)

統計学や法律の本を1ページ目から読む必要はありません。「売上予測に必要な計算式だけ」「賃貸借契約に必要な法律だけ」をピンポイントで学ぶのが効率的です。

もし「独学では限界がある」「体系的に学びたい」と感じる方は、弊社が提供している『店舗開発実務講座』もぜひ活用してみてください。実務に必要なエッセンスだけを凝縮して提供しています。


まとめ 店舗開発の勉強に「終わり」はありません。街は生き物のように変化し続けるからです。 しかし、軸となる5つのスキルさえ押さえておけば、どんな変化にも対応できる強い担当者になれます。まずは今日から、通勤途中の景色を「店舗開発の視点」で眺めることから始めてみませんか?

さらに詳しい解説は、以下の動画でもお話ししています。ぜひ合わせてご覧ください。

▼動画で学ぶ:店舗開発実務講座#17

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