「茨城県つくば市で、出店を優先すべき場所を3カ所挙げるとしたらどこ?」

店舗開発の会議で、このような質問が出たらどのように答えますか? 出店計画を立てる際、個人の「カン」や「経験」だけで候補地を絞り込むのは危険ですし、社内会議での説得力も欠いてしまいます。何らかのデータの裏付けが欲しいところです。

そんな時、客観的な根拠を持って出店候補地を絞り込むために、ぜひ「使い倒して」いただきたいのが、経済産業省が発表している無料データ「経済センサス」です 。

本日は、この経済センサスを活用したエリア分析と優先順位の付け方について、茨城県つくば市を例に解説します。

出店計画の強力な武器「経済センサス(立地環境特性編)」とは?

経済センサスの中でも、店舗開発業務に直結するのが「立地環境特性編(商業集積地区に関する集計)」です 。

このデータには、自治体ごとの以下のような数字が詳細に網羅されています

  • 小売業の年間売上合計
  • 大規模小売店舗(店舗面積1,000平米超)の数
  • 飲食サービス業の年間売上合計と事業所数

これらを読み解くことで、対象エリアの商業ベースでの「市場規模」や「出店余地」を客観的な数値として把握することが可能になります

データを見ないと見落とす!つくば市の「第3の商業集積」

実際につくば市のデータを読み解いてみましょう。つくば市全体の小売業年間販売額は約647億円で、大規模小売店舗は12件存在します

市内の商業集積における売上上位を見てみると、以下のようになります

  1. イーアスつくば(206億円・シェア31.8%)
  2. イオンモールつくば(183億円・シェア28.3%)
  3. 筑穂1丁目商店街(91億円・シェア14.1%)
  4. LALAガーデンつくば(59億円・シェア9.1%)

1位と2位は大型ショッピングセンター(SC)ですが、注目すべきは3位の「筑穂1丁目商店街」です 。ここはホームセンターやスーパーが集まる「住宅地背景型」のロードサイド立地であり、こうしたデータを確認しなければ出店候補から見落としてしまう可能性が高いエリアです 。

出店可能店舗数で変わる「戦略の組み立て方」

このように数値を可視化することで、出店計画のロジックが明確になります

  • 1店舗のみ出店する場合: 効率よく売上を取るため、順当に1位(イーアス)か2位(イオンモール)を狙う 。
  • 2店舗出店する場合: 1位と2位の両方を押さえる 。
  • 3店舗目を出店する場合: ここからは少し複雑になります。単に売上が大きい場所を選ぶのではなく、「集積区分(ロードサイド型・住宅地背景型・駅周辺型)」も見る必要があります(これも経済センサスにのっています)。日常的な商品を扱う業態であれば3位の「筑穂1丁目」が候補になりますが、高価格帯の業態であれば、売上シェアは3.6%と低くても「駅周辺型」である7位の「トナリエつくばスクエア」に顔を出しておく、といった戦略の分岐が発生します 。

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