北海道札幌市に本社があるハミューレ株式会社が展開する「プロノ」の店舗網について、独自に診断させていただきます。

 以下は、同社のウェブサイトの店舗情報から、出店済の道県と店舗数を表にしたものです。 

出店済みの都道府県店舗数(合計55)
北海道38
青森県
岩手県
宮城県
秋田県
山形県
栃木県

 北海道に本社がある会社のため、はじめは出店地域を「北海道」に限定していましたが、その後、東北地方を南下しながら市場拡大を進めている様子がうかがえます。

 総店舗数は55店舗ですが、70%弱の38店舗を北海道に集中しており、残りの30%強を北海道以外での市場拡大に充てています。

 市場拡大の中身を確認してみます。

 東北地方で市場規模が最も大きい仙台市を含む「宮城県」には4店舗を出店しています。

 この“宮城県で4店舗”を基準として他県での出店数を比較すると、宮城県と同数の4店舗を「岩手県」と「山形県」でも出店しています。この店舗数の配分は、市場規模を考えるとバランスが悪く、宮城県での出店が思うように進んでいない、あるいは、岩手県、山形県で出店が進みすぎているように見受けられます。

 「青森県」、「秋田県」にも1~2店舗を出店しているものの、同じ東北地方でも福島県には出店がなく、なぜか「栃木県」には2店舗を出店済です。

 未出店の県にどんどん出店している様子は“勢い”があるようにも見えますが、それは、重要市場で店舗数が稼げていないことの裏返しと考えることもできます。

 “このようなケース”は実はよくあります。

 “このようなケース”とは、店舗数が少ない段階から未出店の都道府県に進出しながら、既存店の集積から地理的に孤立した地域に店舗を分散させるように出店することを意味します。

 こうした出店をすると、全社的な収益性は得てして低下します。

 その理由としては、①自社の屋号(ブランド名)の知名度が低い市場へ出店することにより、店舗売上がなかなか高まらないこと、②特に、規模の大きい市場に展開すると有力な競合が既に存在することが多く、また、賃料などの経済条件も不利になりがちであること、③商品配送や店舗管理などのコストが上昇すること、などがあげられます。

 この企業の場合、今後の注目点は、重要市場である宮城県内での出店数が順調に増えるかどうかです。そこで店舗数を増やせず、店舗数の増加を狙って福島県、茨城県、更には首都圏などの未出店の都県への進出が進むと事態はますます悪化すると予想されます。

 市場計画・出店計画を立て、市場規模と店舗数のアンバランスを改善するように出店することが求められます。その方法については、別の機会でお伝えします。(以上)