カニバリ(自社競合)が起きたかどうかの判定方法

既存店の近くに新たな店舗を開店しようとする際に、必ずといって良いほど議論されるのがカニバリゼーション(カニバリ)です。同じ会社の2つ以上の店舗が顧客や売上を食い合う状況を意味する用語として使われています。

このカニバリは厄介なもので、その実態が明らかになっていません。そのため、店舗を開店したい店舗開発部門と開店後の予算に責任を負う営業部門の間で、議論がかみ合わないこともしばしばあります。

既存店カニバリ分析では、「カニバリがあった」と認められるケースをパターン分けし、既存店の近隣に自社競合店舗を開店すると既存店売上はどの程度影響を受けるのか?を予測するにあたって参考となる指標を作成します。

実施例

  1. 過去に出店・退店した店舗の(短期的な売上変動を除去した)12ヶ月移動平均売上データを、自社競合の観点から分析。
  2. 過去に出店・退店した店舗の、自社競合店舗開店前後の売上平均値の差に有意差があるかどうかを検。
  3. 上記にもとづき、過去の出店・退店におけるカニバリゼーションの有無や強度を診断。

ストーリー:近くに出店したら(既存店の)売上が下がった・・・その因果関係は正しいか?

日本全国に300店以上を展開する物販サービス業のH社では、「既存店の売上が下がっているのは、店舗数が増えすぎて店舗間で顧客をとりあう“自社競合”が原因だ」という意見が社内の大半を占めていた。それに対して店舗開発部長のAさんは・・・

A「近くに店舗を開けようとすると、すぐにカニバリ、カニバリといわれます。そんなに近くに開けているわけではないのですが・・・」

福徳社「カニバリが問題にならない会社はないですね。開発担当も分かってますから、その点は考えて提案しているのですが。」

A「(〇〇電鉄の)ターミナル駅近くにある店舗の売上が下がっているのは(〇〇電鉄の)沿線に店舗を出しすぎたからといわれています。それって正しいのですか?」

福徳社「それだけでは何ともいえないのですが、正しいか確認する方法はありますよ。」

A「調査とかするのですか?」

福徳社「いいえ、新たにデータをとる必要はありません。全店舗の過去の売上の推移は確認できますよね。それを使えば簡単に、あまり費用もかけずにカニバリ分析ができますが、実施してみませんか?」

A「すぐにできるものなのですか?」

福徳社「(守秘義務契約を結んだ後に)売上が下がっている店舗とその周辺に出店した店舗の過去の月次売上をいただければ、それを加工することでカニバリに有無を判断できます。全店舗を対象にすれば、かつてカニバリのあった出店があったかどうかも明らかにできます。」

A「それは調べてみたいです。ぜひ、お願いします。」

・・・その後、加工された売上データを精査したところ、H社の問題となっていたターミナル駅の店舗売上はじりじり低下する傾向が読みとれた。しかし、周辺や沿線の店舗が開いたと同時に、大幅な売上低下したという事実は確認できなかった。カニバリとは、既存店に意図的に直撃をくらわすような出店をしない限り発生しにくく、実は証明することが難しいもので、売上不振の原因のスケープゴート役に使われているように思える。

福徳社の実際のコンサルティング事例をベースにしたストーリーです。

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成長段階や店舗網の状況に応じて、必要な支援の方向性も企業ごとに異なります。御社にふさわしい内容を具体的にご提案します。ご質問やお問い合わせはこちらからお気軽にご相談ください。