出店戦略論【12】フライングタイガーの自治体レベルの市場選定(1)

出店戦略論【12】フライングタイガーの自治体レベルの市場選定(1)

前回、ポップコーンを販売するブランドが高級ブランドのように東名阪の市場に展開していることを確認しました。

似たようなケースはまだあります。以前にも採りあげたフライング タイガー コペンハーゲンはどうでしょう?

フライング タイガー コペンハーゲンは、8月上旬時点で日本国内で21店舗を展開しており、関東以西の広域に市場を拡大しています。

下の【表】は自治体別店舗数で、2店以上を出店している自治体はわずか1つです。

表をご覧いただき、皆さんが“なぜこの自治体に?”と思われる自治体は大型商業施設への出店です。恐らく施設からの引きがあったものと思われます。

その他の市場の選定方法は誤っていないと思われます。

しかし、店舗数がまだ20弱ということを考えると、地域拡大に注力しすぎているように思います。原価率が想像以上に高く、それを低減するために店舗数拡大が優先されているため、出店機会があれば出店している様子が想像できます。(立地をウェブサイトの地図で確認する限り、とりわけ路面店は苦戦しているのではないかと思われます。この点に関しては「③各地域市場での立地選定」についてお話しさせていただく際に触れたいと思います。)

全国的な地域拡大は諸々固定的な費用も発生するため、まだ目新しさ、希少性、話題性などで集客しているのかもしれませんが、人気が一巡すると事業収益は辛くなることが予想されます。

コペンハーゲンに住んでいたことのある私は、フライング・タイガー・コペンハーゲンさんには頑張ってほしいのですが・・・

しかし、こうした例を見ていると、本当に日本は不思議な市場だと思います。フライング・タイガー・コペンハーゲンは所詮“デンマークの〇〇(漢字二文字)”なのですが・・・

つづきはこのあとのクイズで。

さて、「出店戦略論」シリーズではまだまだお話ししたいことがあるのですが、明日から夏休みスペシャル特集を書きますので、8月後半からまた続きを始めたいと思います。

【表】フライング・タイガー・コペンハーゲンの自治体別店舗数

都道府県市区町村店舗数
埼玉県さいたま市大宮区1
埼玉県富士見市1
千葉県船橋市1
東京都中央区1
東京都港区1
東京都渋谷区1
東京都豊島区1
東京都立川市1
東京都武蔵野市1
東京都町田市1
神奈川県横浜市西区2
神奈川県横浜市都筑区1
愛知県名古屋市中村区1
京都府京都市中京区1
大阪府大阪市北区1
大阪府大阪市中央区1
大阪府枚方市1
大阪府和泉市1
兵庫県神戸市中央区1
福岡県福岡市中央区1

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