前回、ポップコーンを販売するブランドが高級ブランドのように東名阪の市場に展開していることを確認しました。
似たようなケースはまだあります。以前にも採りあげたフライング タイガー コペンハーゲンはどうでしょう?
フライング タイガー コペンハーゲンは、8月上旬時点で日本国内で21店舗を展開しており、関東以西の広域に市場を拡大しています。
下の【表】は自治体別店舗数で、2店以上を出店している自治体はわずか1つです。
表をご覧いただき、皆さんが“なぜこの自治体に?”と思われる自治体は大型商業施設への出店です。恐らく施設からの引きがあったものと思われます。
その他の市場の選定方法は誤っていないと思われます。
しかし、店舗数がまだ20弱ということを考えると、地域拡大に注力しすぎているように思います。原価率が想像以上に高く、それを低減するために店舗数拡大が優先されているため、出店機会があれば出店している様子が想像できます。(立地をウェブサイトの地図で確認する限り、とりわけ路面店は苦戦しているのではないかと思われます。この点に関しては「③各地域市場での立地選定」についてお話しさせていただく際に触れたいと思います。)
全国的な地域拡大は諸々固定的な費用も発生するため、まだ目新しさ、希少性、話題性などで集客しているのかもしれませんが、人気が一巡すると事業収益は辛くなることが予想されます。
コペンハーゲンに住んでいたことのある私は、フライング・タイガー・コペンハーゲンさんには頑張ってほしいのですが・・・
しかし、こうした例を見ていると、本当に日本は不思議な市場だと思います。フライング・タイガー・コペンハーゲンは所詮“デンマークの〇〇(漢字二文字)”なのですが・・・
つづきはこのあとのクイズで。
さて、「出店戦略論」シリーズではまだまだお話ししたいことがあるのですが、明日から夏休みスペシャル特集を書きますので、8月後半からまた続きを始めたいと思います。
【表】フライング・タイガー・コペンハーゲンの自治体別店舗数
都道府県 | 市区町村 | 店舗数 |
埼玉県 | さいたま市大宮区 | 1 |
埼玉県 | 富士見市 | 1 |
千葉県 | 船橋市 | 1 |
東京都 | 中央区 | 1 |
東京都 | 港区 | 1 |
東京都 | 渋谷区 | 1 |
東京都 | 豊島区 | 1 |
東京都 | 立川市 | 1 |
東京都 | 武蔵野市 | 1 |
東京都 | 町田市 | 1 |
神奈川県 | 横浜市西区 | 2 |
神奈川県 | 横浜市都筑区 | 1 |
愛知県 | 名古屋市中村区 | 1 |
京都府 | 京都市中京区 | 1 |
大阪府 | 大阪市北区 | 1 |
大阪府 | 大阪市中央区 | 1 |
大阪府 | 枚方市 | 1 |
大阪府 | 和泉市 | 1 |
兵庫県 | 神戸市中央区 | 1 |
福岡県 | 福岡市中央区 | 1 |