前回の続きですが、今日は余談で、“かわいそうなプレゼン”という話です。

物件説明、とくに売上予測については、説得力のある説明が求められて然るべきです。説明に不信感をもたれた場合、出店承認を経営者から得ることはできないと考えるべきです。「良くわからないがやって(出店して)みましょう」という経営者はまずいないでしょう。

そこで今回は、あえて“説得力のない説明”についてお話ししてみたいと思います。

いまだに記憶に残っている、“即刻アウト”を食らった物件説明がありました。

物件説明といっても経営者へのプレゼンには進めなかったもので、その前段階の店舗開発部内で“即刻アウト”になったものです。(時期、場所等は一切分からないようにお話しします。)

なせだったのでしょう?

そのプレゼンは物件の前で行われたうえ、次の発言から始まりました。

「この物件はこの辺(エリア)で一番いい物件です。」

その後、上長にちょっと待てと遮られ、それで終わりです。

(転職してきたばかりの社員で焦っていたのかもしれませんが、)いきなり何の前振りもなく“一番いい物件”というのがまずかったです。一番いい物件など易々と言えることではありませんし、どこかに不足な点があるものです。“一番いい”などと言ってしまうと、余裕がなく、感情的な印象を与えてしまい聴く側は冷静に判断ができなくなります。

他にも、すぐに終わりはしませんでしたが、最初から強い逆風が吹いたプレゼンがありました。

なぜだったのでしょう?

そのプレゼンは、会議室で、物件の現地の地図と写真から始まりました。

それを見た瞬間、その物件付近を良く知る人が、“そこ知ってる。あまり人がいない(云々)”と言い出し、写真の印象もいまいちで、“〇〇店(売上が芳しくない店舗)に似ている(云々)”と言われてしまい、出だしから一気に出店に対してネガティブな雰囲気が形成されてしまいました。

これら2つのプレゼンから教訓にすべきことは、物件プレゼンの方法を店舗開発部員各自に任せっきりにすること、そして、物件説明を、物件そのものの説明から始めることは危険である、ということです。

物件説明は、物件や担当者によって説明の仕方を変えるのではなく、できるだけ一定の方法に沿って行われるべきものです。それにより、聴く側も物件間の比較ができるようになります。

物件プレゼン、売上予測の根拠説明のあるべき姿については次回にします。続きは次回のブログで。