今回はRFM分析についてお話しします。

RFM分析とは、顧客差別化の視点で顧客を評価するもので、自社の優良顧客をリーセンシー(Recency)、フリークエンシー(Frequency)、マネタリー(Monetary)という観点で定量的に識別するマーケティング手法です。

リーセンシーとは直近で最後に利用したのはいつか、フリークエンシーは利用頻度、マネタリーは取引時に平均していくらくらい支払ったか、をそれぞれ表します。リーセンシー、フリークエンシー、マネタリーの3つが全て望ましいものである顧客が「優良顧客」であることを意味します。

このうち『商業施設利用実態調査』では、フリークエンシーとリーセンシーに今後の利用意向を加味し、それぞれの大型商業施設が消費者の日常的な購買活動にどの程度定着しているかを調査しています。

具体的な質問項目は、各施設の認知度、利用経験、開業後3カ月以内の利用の有無、利用回数、直近で利用したのがどのくらい前か(その施設を最後に利用したのはいつごろか)、今後の利用意向、調査対象の施設以外でよく利用する施設(自由回答)です。それらを同じ調査対象者に対して利用経験がある全ての施設について横断的に尋ねています。

開業前からの話題性が高かった施設は認知度が高く、利用経験のある人の比率も高まることが予想されます。それ以降の質問項目は、開業直後に訪れた利用客がどれだけリピートしているかを把握するためのものです。

利用頻度と今後の利用意向が高く、かつ、前回利用した時期が最近に近ければ近いほど、日常的な買い物の場として定着している施設であると考えられます。逆に、利用頻度と今後の利用意向が低く、かつ、前回利用した時期が最近より遠ければ遠いほど、日常的な買い物の場として定着しておらず、開業後に一度訪れられたのちに、あまりリピートされていない施設であると考えられます。本リサーチのレポートでは、そのような観点から、各調査対象商業施設の現状を記述しています。

また、定着した顧客を定義した上で、定着率の比較を行ったほか、各商業施設の商圏の広がり、複数の商業施設間の併用状況なども明らかにしています。

皆さんの会社でも、自社の商業施設やブランドの顧客を、認知度や利用経験者の比率、リーセンシー、フリークエンシーなどの観点で把握されていますか?