もったいない出店【その2】日本初出店ブランドにとっての“一号店の意味”(続き)

昨日の問題の答えは、一番上の「A」です。

1号店の意味

 

最初にAに水を流せば、水は2つに分岐しBからDへ、CからF、Gへ、そこから再び分岐して更に下の方へと染み渡っていきます。こうして一番下のOからZへまんべんなく水が行き渡ります。

もしも仮に、Dに最初に水を流してしまうと、水は最終的にO、P、Qにしか行きわたりません。Mを選ぶとXとYにしか水は行き渡りません。Zの場合はZ以外には水は行きません。

つまり最初に水を流した場所の高さ以下の文字にしか水は行き渡らないのです。

それが“一号店の出店”とどう関係があるのか?と疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

こう考えてください。

“最初に水を流す”場所は“一号店を出店する”立地で、AからZの文字は、日本国内の都市やサイトレベルの立地を表します。

そこでは、都市や立地には出店の優先順序に関する序列のようなものがある、という前提があります。

都市レベルで考えると、図の下へ行けばいくほど都市の市場規模は小さくなり、人口の少ない自治体が多く含まれるようになります。

サイト(物件)レベルでは、繁華街の路面、大型商業施設や再開発ビル内、ロードサイドなどが考えられます。

上に示した図は、こうした要因が組み合わさった「人気立地の序列」を示す概念図のようなものだと考えてください。

それによれば、一号店の立地が人気立地の序列の下位に行けばいくほど、そのブランドの普及度合いは限定的なものになると考えるべきです。序列が下位の立地からスタートすると、せっかくの一号店の価値の広がりが限定的になってしまうのです。

認知度が思うように高まらない→利用経験者の数が伸びない→顧客基盤の広がらない→店舗売上が低下するといった負のループに落ち行ってしまいやすくなるのです。

逆に、序列の上位からスタートすることができれば、一号店の価値は広域に広がり、そこから徐々に下位の立地に浸透するようになるのです。

続きは明日のブログで。