前回に続き、“歴史に学ぶ”シリーズです。『新太閤記』主役の豊臣秀吉を含む戦国武将をチェーン企業の本部、城を店舗に例えて、起こる出来事を多店舗化の過程にダブらせて読むと、ただの小説ではなく、仕事の参考書になります。

独断専行の是非について上巻350ページです。

信長は、武将どもが独断専行することを憎み、かつ同時に、独断専行せぬことを憎む。どちらも不可で、この点、融通のきかぬ頭では一日も織田家の武将はつとまらなかった。問題によっては相談せずに事を運んでしまい、問題によっては信長にしつこいほど指示をあおぎ、その厳重な指揮下で動く。その問題の判断が、じつにむずかしかったが、この猿の頭ではすらすらと判断がつくらしい。

店舗開発業務において独断専行をすべきときとそうでないときとは?

思い出すのは、以前の同僚の大ベテランの開発担当者で今は独立され不動産会社を経営されている方の言葉です。

「貴重な出店機会の情報を得た時に、一度会社に持ち帰って調整してから応答するのでは開けられるものも開けられない場合がある。その場合『社内は必ずまとめますから、そこを抑えてください』と先方に伝えてしまう。そのくらい出来ないと店は開けられない。」

申し込みが先、社内調整が後ということで、とても真似出来ないと思うのが普通です。

が、希少価値のある立地というのはそのくらいの即断が求められるということは記憶に留めるべきことです。

続きは次回のブログで。