昨日の記事で出した演習問題の解説です。問題:日本国内にある二つの街を分断する河川の上を道路が通っており、その道路沿いに「A」から「D」まで4つの物件があります。川からの距離や面積、敷地への入りやすさなどは全て同じで、2つの街の規模も同じと仮定します。4つの物件は、街の中心ではなく、街の外れにあります。この場合に「A」「B」「C」「D」のどれを選択するべきでしょうか?その理由は何ですか?

roadside_workshop

図において「A」と「D」、「B」と「C」は共通点があります。「A」と「D」は運転して川を超えたところにあるのに対し、「B」と「C」は川の手前にあるということです。

これはかつて関西のあるエリアに5~6店舗あったファーストフード店の話なのですが、エリアの末端に位置するのに、非常に売上の高い店舗があったことに関連する話です。

この問題は、〝エリアの末端にある店舗で利用される可能性が高い店舗は、ドライバーが次のエリアに入るときに最初に見る店舗か、あるいは今までいたエリアから出るときに最後に見る店舗か?〟という問題と同じです。

この図ではエリアの末端ということがあまり強調出来ているとは言い難いので、申し訳なかったのですが、ある町から隣町に移動しているときを想像してください。

町と町の境目に近づくにつれて、町の中心に比べて店舗の数は普通は少なくなります。この先に店がなさそうだからと今までいた町にある店舗に立ち寄る人と、店がない中を長いこと走行し新たな町に入って最初に見つけた店に立ち寄る人とでは、どちらが多いでしょう?

前者のような判断をするには、この先に店がないことを知っている必要があります。また今までいた町で用を済ましていることも考えられます。しかしそうでない場合は隣町に向かってしまうことでしょう。どちらが多いか実際に調べたわけではありませんが、売上から考えると“店がない中を走行してきて最初に出会う店に入る人が多い”ということで結論づけたことがありました。

というわけで「A」〜「D」の中で選択すべき物件は、川を超えたところにある「A」と「D」を正解としたいと思います。

ジョイフル東京八王子店は八王子市の末端に位置してるのですが、末端から出ようとする向きで見た左側にあるか、八王子市市街地に入って来る向きで見た左側にあるかで売上は変わってくるように思われます。同店の場合は“八王子市市街地に入って来る向きで見た左側”でした。今回の問題でいう「A」と「D」に該当します。ということで、業績は良くなるものと予想していますが、実際はどうかを定期的に観察したいと思います。(了)